今年で十三回目を迎える糸賀一雄記念賞音楽祭。最初は「歌う」ということがメインだったが、第二回以降、打楽器、ダンスと表現の幅がどんどん広がったと振り返る中谷さん。第七回には、中谷さん自身もティンパニーで和太鼓とセッションするなど、ジャンルのボーダーも取り払ってきた歴史があると感じておられるとのこと。NO-MAの冠にもなっている「ボーダレス」ということにとても共感しているとのことで、今年は65歳以上の方々で構成される「今を生きるワークショップグループ」という、うたのグループが新たに参加することになっており、今後まだまだ発展と継続の可能性があると考えているとのことです。
糸賀音楽祭のステージを観ていると、根源的な感動と感覚を覚えるとのことで、前回も話しておられた「感動値」が共通であることについて再び話されていました。
また、パフォーマンスする側、観る側の感覚が溶け合ってきている感じも受けるとのことで、それはワークショップグループを導くナビゲーターや観客の方々が変化してきているからこそだと話されました。
また今後は、アール・ブリュット作品のように音楽作品も出来たらとも話されました。心の感動値のために音楽も楽器もあるので、アール・ブリュット作品と何ら変わりはなく、音楽には「技」も必要な道具ではあるが、技や道具でなく音そのものを大事にしていきたいとのことでした。
中谷さんが実行委員長を務める、糸賀一雄記念賞第十三回音楽祭は11月16日(日)、栗東芸術文化会館さきらで開催されます。圧倒的なエネルギーと感動値の共通性を体感しに、ぜひお出かけください。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。
(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)
次週のゲストは、映画監督の坂上香さんです。最新作「トークバック 女たちのシアター」のテーマは「表現」と「人の変容」。この映画のお話しを軸に、社会の中で常識や多数派という境界を超えてしまった人たちが「表現」を味方に生き抜く在り様について二回に渡って話しいただきます。11月14日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。