毎年秋に、栗東芸術文化会館さきらにおいて開催される糸賀一雄記念賞音楽祭は、びわ湖を囲むように県内7つの施設で表現活動を行う障害のある人と、プロのアーティストが一体となって表現することの喜びを分かち合うフェスティバル。今日は、このフェスティバルに参加する湖南ワークショップグルームのダンスと音楽の現場をレポートしました。
今回、湖南ワークショップグループは、谷川賢作さん、高良久美子さんと共演しました。二人のアーティストを交えたリハーサルは、この日が初めて。じっくりウォーミングアップした後、いよいよセッションが始まりました。セッションが始まったにも関わらず、ラジオ収録を気にかけてくださり、要所要所で実況を入れてくださった‘エーチャン’こと後村英治さんには感謝です。
今回の湖南ワークショップグループのパフォーマンスのタイトルは「ホトリのテラス」。今回のパフォーマンスの特徴について、このグループを率いるナビゲーター北村成美さん(ダンサー・振付家)にお話を伺ったところ、今回は個が際立つ構成になっていること、そして「帽子」が重要なファクターになっていることを教えていただきました。
写真中央に「帽子」。帽子を起点にパフォーマンスが次々と展開される
グループのメンバー、松尾慎一郎さんと田中徹さんは、普段は同じ障害福祉サービス事業所の支援者と利用者の関係。グループでは同じパフォーマーという位置づけです。松尾さんが一メンバーとしてダンスをするようになった経緯は、福祉の支援者である方にぜひ聞いてもらいたい内容です。また、田中さんはそんな松尾さんのパフォーマンスをどう見ているのか聞いてみたところ、驚きの回答が返ってきました。同じ歳だという二人がメンバーとして切磋琢磨している様子がビシビシ伝わってきました。
共演している谷川賢作さんに、今回の湖南ワークショップグループのパフォーマンスの印象をお聞きしたところ、完成度の高さに驚いたと言います。谷川さんは以前にも何度か湖南ワークショップグループと共演していますが、見所の一つが前出の後村英治さんと谷川さんの「ピアノ」を巡る絡みです。この日のリハーサルでは、一見、連弾しているかのようなシーンもありました。
リハーサルに立ち会っていた、糸賀一雄記念賞第十三回音楽祭の総合プロデューサーの小室等さんにも、湖南ワークショップグループの面白さについてお話しいただきました。音楽家ならではの小室さんの言葉はしみじみと響き、湖南ワークショップグループのパフォーマンスをさらに味わい深いものとして感じることができました。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。
(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)
次週は、今回湖南ワークショップグループと共演していたピアニストの谷川賢作さんをゲストにお招きします。12月12日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。