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ラジオ番組「Glow 生きることが光になる」きたやまおさむ氏特別講演「生々しい何かと強迫~なぜ、作品に巻き込まれるのか~」前編

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2015年2月6~8日に大津で開催された「アール・ブリュット ユートピアの創造主たち」展。併せて行われた、きたやまおさむさんの特別講演の様子を二週にわたってお届けします。精神科医で臨床心理士、作詞家・ミュージシャンとしても有名なきたやまおさむさんは、かねてからアール・ブリュットの織りなす世界観や作者の衝動的な表現行為に関心を寄せていたと言います。この番組でしか聞けない、貴重な講演内容です。


特別講演の様子

講演前、講演会場の隣に展示されていたアール・ブリュット作品を30~40分ほど鑑賞されたきたやまさん。アール・ブリュットを見ると「圧倒される、あるいは巻き込まれるということを経験する」ということからお話は始まりました。作品を見て受ける心の動きが言葉にならないということにも直面するのですが、それを「言葉にしないまま置いておことが、すごく大事な時間ではないかと思う」とこの講演の核心にいきなり触れられました。

アール・ブリュットを見ていると、細かいことを繰り返し繰り返し、反復しているという作品に出会うのですが、それが徹底的にされていることを見ると、心の専門家でもあるきたやまさんは、「この意味は何なんだろう。余白があれば、全部埋め尽くしてしまうというようなこの『現象』は何なんだろう」と思い、一つの解釈として、それは「強迫」と呼ぶことができるのではないかとおっしゃいます。

強迫は、日常では反復、規則、秩序、分類、整理、几帳面、完全癖のような形であらわれるのだそうで、反復には背後に、失敗への不安や恐怖があるのだそうです。そういった混乱への防衛としての強迫というのがあり、反復という現象が現れている絵の制作にかかわっている方々は、そのことに気づいているのだと思うと。この細かさ、反復をとってしまうと、大変大きな混乱が背後に待ち構えているので、この「強迫」によってようやく落ちついている、それによって身を守っているという見方が必要だというのです。

講演の後半では、冒頭に掲げられた「言葉にしないまんま置いておくっていうことが、すごく大事な時間ではないかと思う」ということがさらに浮き彫りにされます。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)

次週、2月の「アール・ブリュットユートピアの創造主たち」展の関連イベントとして行われた、きたやまおさむさん(精神科医・臨床心理士)の特別講演の公開収録の後半部分をお届けします。3月13日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。お楽しみに。

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