今回の放送では、アサダパーソナリティーと、田端現地リポーターが番組の一年間を振り返りました。これまで多彩なゲストをスタジオにお招きし、また展覧会場や作者のアトリエ、所属施設などを訪ね歩いてきた中で、印象に残っているエピソードをざっくばらんに語り合いました。
冒頭、一年間のラジオ収録に関するそれぞれの所感を交換し、印象に残るエピソード紹介へ。お互い2~3の放送を想定してくる予定でしたが選びきれず、現地リポートで訪れた場所を記したメモを1か所1枚で予め用意し、その中からくじ引きのようにして1枚引くということに。選び取ったメモに書かれていた現地は「茨木病院」(大阪府茨木市/2014年8月1日放送)。入院している患者さんたちの写真展を、看護師、入院患者が一体となって企画・運営するという試みをしていた浅香山病院(大阪府堺市)に呼応した茨木病院において開催されていた、浅香山病院、茨木病院の合同写真展を訪ねたものでした。
そこにはケアする人(看護師)、ケアされる人(患者)という関係が、写真展というひとつの催しをともに運営するという出来事により、ケアする/されるということではない関係が現れていました。このことは、人と人の間にある関係性はどちらかが一方に与える、授けるという固定したものではなく、相互的なものだということを示しています。デイサービス「すまいるホーム」(静岡県沼津市)等、他の現地でも感じられましたし、ゲストの話の中でもそういった視点が示されていた一年でもあったことに気づきました。
20分弱で1年間を語るには、まだまだ言葉の整理が追い付いつかず、アサダ、田端とも、収録後も「実はこれも喋りたかったんだ…」とあれこれ話し合ったのでした。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)
次週から2週にわたり、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAから2人の学芸員の登場です。藁戸学芸員と横井学芸員の二人がNO-MAの展覧会がどうやって作られていくのか、アール・ブリュットを展示する際に気を配っていること等をお話しします。放送は4月3日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。