今週は、2月5日〜7日に滋賀県大津市の大津プリンスホテルで開催された福祉の祭典第20回アメニティーフォーラムの会場からお届けします。ゲストは、梅沢劇団座長で俳優の梅沢富美男さん、そして一般社団法人日本ハンドケア協会代表理事でフィトセラピスト(植物療法士)の池田明子さんご夫妻です。このお二人が、アメニティーフォーラムの会場で同時開催された展覧会「Images展——アール・ブリュット、芸術の地平を開く―」をご覧になり、その感想を語るというプログラムにご出演くださったのですが、その直後、このラジオでも、アール・ブリュットについてお話しいただきました。
<写真左から>池田明子さん、梅沢富美男さん、アサダパーソナリティー
今回初めてアール・ブリュットを鑑賞された梅沢さんが、作品を見て率直に思ったのは「描きたいものを素直に描いている」ということだそうです。普段はつい演劇をする中でも、お客様にうけたい、みてもらいたいという「営業的」なことをすぐに考えてしまうが、アール・ブリュットから教えられたのは、見たものをそのまま描こう、伝えようということが一番大事ということで、後は見てもらう側に判断をゆだねるということを今後の一つのテーマとして与えられたとおっしゃいます。
池田さんは、普段の社会の中では、自分の表現を曲げてでもどうしてもやっていかなければならないことがあると思っていたけれど、アール・ブリュットの作者が自分のセンサーを働かせて描くということをしているのを見ると、自分が感じるもの、センサーをもっと大事にしていいんだなということに気づかされたそうです。
表現ということについてアール・ブリュットだけでなく、パフォーマンスという表現についても、梅沢さん、池田さんそれぞれの見解をお話しいただいたのですが、お二人が専門とされる視点からのお話しはとても興味深いものでした。
最後に、梅沢さんがアール・ブリュットを見たことと今後への影響ということについてお話しくださいました。それは、お芝居の世界では、役者が「自分を出す」ということはNGとされているそうですが、今後、「これは演技ではなく『自分』なんだ」ということもお芝居の中に取り入れていこうと思うということでした。今後の梅沢さんの舞台にアール・ブリュットが感じられる日が来るかもしれません。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)
次週は、同じくアメニティーフォーラム20にご登壇された、青柳正規文化庁長官のインタビューです。2月19日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。