今週も、2月5日~7日に大津プリンスホテルにて開催された地域福祉と文化の祭典、アメニティーフォーラム20の会場で講師の方にインタビューした模様をお届けします。今回は文化庁長官青柳正規さんです。様々な文化政策を司り、アール・ブリュットにも強い関心を寄せてくださっている青柳文化庁長官に、会場で開催されていた「Images展——アール・ブリュット、芸術の地平を開く―」展覧会の感想や、アール・ブリュットにまつわる独自の見解を伺いました。
アール・ブリュットをみるたびに、こんな見方があるのかという突飛さに驚かされ、認めてきたが、今回の「Images展」の作品も驚きを与えてくれたとのことです。と同時に、続けてきたことによる展覧会自体の定着、安定感も感じ、良い方向に運動が流れていると思われたそうです。
また、アール・ブリュットも現代美術と連続した水平の上にあり、切り分けるイメージではなくなっていると長官自身が認識されているとのことです。枠組みを強くするとジャンル化してしまうので、それは強くせず、アール・ブリュットも「一つの物語」として共有していくのが良いと考えるとのことでした。
自分たちが誇りにしていることを、物語性を持たせて表出してみる。最初からバランスを考えず、まずはやりたいストーリーをつくってやってみて、批判を受けながら訂正して行けば良いと示してくださいました。
アール・ブリュットはそう大きくない作品が多いので、生活空間の中に飾ることができる。買って飾りたいという人が出てきているのであれば、そこに応えるべきで、そこまでいけたら本当に定着したと言えるのではないかと最後のまとめとして示唆いただきました。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)
次週は、アメニティーフォーラム20のオープニングトーク「映画監督呉美穂さんを迎えて」をお届けします。呉監督がご自身の映画について、映画プロデューサーの山上徹二郎さんを聞き手にお話しされています。2月26日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。