先週に引き続き、魲万里絵展オープニングトークの様子をお届けします。
作品がいろいろなところで紹介されることに伴い、さまざまな解釈が付けられ、中には本人の意とは離れたものもあったりします。それを目の当たりにした時に、魲さんはどう思うのかということを聞いてみました。何とも答えにくい質問にも関わらず、解釈者への気遣いとシニカルさがミックスされた、魲さんならではの答えに会場からも笑いが起きました。
タイトルの付け方に話は戻り、直接的に影響を受けて付けたタイトルに「デキザルヲ」という作品があります。とある作者の短歌集にあった歌から取られているのですが、その言葉が含まれる短歌を諳んじたり、放送では紹介されていませんが、他にもお気に入りの短歌を紹介するという場面もトークイベントの中ではありました。
また、話は魲さんが見た3部作の夢にも及びここでも会場からは笑いが。
今回の展示では2007年から2016年までの作品が、年代を追って見られるようにもなっています。作品の変化を魲さん本人は感じているかとの問いには、時の移ろいとともに考えや捉えなどは変わっていると思うので、違ってきているだろうというような答えが返ってきました。人はややもすると変化する自分を受け入れがたいこともありますが、変わりゆく自分を自然に受け止めている魲さんに深さだけでなく、広さを感じました。
最後には、魲さんのご家族お一人お一人、魲万里絵ファンクラブと称しても良いほどの近江八幡の人たちの存在、作品を通じて新たに出会う人たちについて、それぞれ語られ、会場はほっこりとした雰囲気に包まれました。
トーク全般を通じて、繊細でユーモアたっぷりという魲さんの魅力を会場のみなさんは再発見したのではないでしょうか。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)
次週は、NO-MAが開館して間もなくから毎回展覧会に足を運んでくださっている吉田季平さんと、近江八幡駅からNO-MAまでの道のりを歩きながらNO-MAについて語る現地リポートです。7月15日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。