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魲万里絵展関連パフォーマンスイベント「呼吸する風景」レポート

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去る8月7日(日)、開催中の展覧会「魲万里絵 遠くて近い私の風景」展の関連イベントとして、パフォーマンス「呼吸する風景」を行いました。
このイベントは、魲万里絵さんの作品を展示した会場を舞台に、2つのパフォーマンスをお届けするものです。
会場では、ダンサーによる身体表現と魲による絵が呼応し合い、一体的な空間をつくりだしました。

パフォーマンスは一部と二部で構成しました。一部では、振付師でダンサーの高木貴久恵さんに出演いただきました。下の写真のように、出演者とお客さんとの距離の近さがこのイベントの特徴です。間近でみるダンサーの身体表現は、ものすごい迫力です。


パフォーマンスⅠ 高木貴久恵さん(振付師、ダンサー)

展示作品にはまばらにスポットライトがあたり、10cm程度に空いた雨戸からは、外からの光が射しこんでいました。会場の複数か所に小型スピーカーが設置され、耳を鋭く刺激するような音や、水の中にいるかのようなブクブク……といった音を奏でていました。高木さんのダンスは、胴体から腕や足が切り離され乱舞するかのような、今まで見たことがないような身体の動きです。魲作品に描かれるたくさんの身体が、ドットやストロークという身体の動きによって生まれているということが、高木さんのダンスを通して、豊かに伝わります。人の体内に潜り込んでいるかのような不思議な感覚で、怖さや心地よさや懐かしさなど様々な感情を想起させるパフォーマンスでした。

二部は、ダンサーの富木えりかさんとヴァイオリニストの熊澤洋子さんによるパフォーマンスです。


パフォーマンスⅡ 富木えりかさん(ダンサー)、熊澤洋子さん(ヴァイオリニスト)

阿吽の呼吸で二人がつくり上げる空間は、イベントタイトルである「呼吸する風景」を深く体現していました。熊澤さんはヴァイオリンで即興や、東欧、ギリシャの音楽を演奏。軽妙で詩情あふれる音で、空間を包み込みました。音空間の中で富木さんが披露するダンスもまた即興によるものです。力みが全く感じられないだらりとした動きから、臨場感のある力強い動きまで、多彩な動きで参加者の目を釘付けにしました。即興という要素は、魲の制作と身体表現をつなげる重要な要素かもしれません。魲さんの作品も描き始めから仕上がりをイメージしてつくっているのではなく、点が点を呼び、線が次なる線をつくりだす、いわゆる即興の積み重なりで絵が生まれているともいえるからです。富木さんは最後に戸を開けて、ゆっくりと外へ消えていくのですが、それはパフォーマンスの終わりを意味するものでもありながら、新しいものの始まりを象徴しているようにも感じさせてくれました。

パフォーマンスの後は、出演者が集まり、アフタートークを実施しました。パフォーマンスに込められた思いや、展示空間を見て感じ取ったことなどを詳しく語っていただきました。


アフタートークの様子

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