今週から二週にわたり、株式会社きびもく、NPO法人チュラキューブ代表中川悠さんをゲストにお迎え、障害のある方の社会的就労というテーマを切り口に、障害のある方が行う造形活動の今後の可能性について、お話いただきます
中川さんは講談社での「KANSAI一週間」編集業務、アートギャラリー運営を経て、2007年に株式会社きびもく、NPO法人チュラキューブを起業されました。近年はクリエイターのビジネス促進を目標に掲げ、大阪府や近畿経済産業局などのマッチングイベントのファシリテーターなども担当されています。障害者施設の工賃向上を目指したお墓参り代行サービスビジネスの立ち上げや、人と町を元気にするための様々なプロジェクトにも尽力。2016年9月から淀屋橋にカフェ併設の福祉施設GIVE&GIFTをオープンし、社会課題を少しでもプラスに変えられるようなアイデアを形にされています。
今週は中川さんが行っている事業の紹介や、そのきっかけやルーツ、GIVE&GIFTのオープンの経緯についてお聞きします。
中川さんは、株式会社キビモクとNPO法人チュラキューブという2つの看板を掲げています。事業運営を株式会社かNPO法人か先方に任せることで、取引を円滑に進めることができるからだそうです。
中川さんは現在、さまざまな事業を行っています。漁業が厳しくなっている中でなぜ続けるのか、そのドラマを追いかけるウェブマガジンの制作もその一つだそうです。また、障害がある方とのプロジェクトも行っており、「お墓参り代行サービス」もその一つです。お墓参り代行サービスは、高齢者で足腰が弱くなってしまわれた方のお墓参りを福祉施設が請負い、障害のある方と施設職員でお墓をきれいにする事業だそうです。障害福祉もクリエイターと一緒で、誰かと繋がらないとハッピーになれないということに気付き、地域資源、人の資源を見て、地域の方々と場所の力、アイデアをつなげていくと面白くなる。これが形となったものの一つが、お墓参り代行サービスでもあったとお話していました。
中川さんが障害のある方の就労に関わっていくきっかけは、中川さんの叔父のやっている施設のパンの工場(当時は福祉工場)で何か改善案を考えてほしいとの話を受け、それが評価を得たことによるそうです。そこで編集という概念は福祉施設でも使えることがわかったとお話されていました。
その後、ビジネスと福祉をつなげて障害者の工賃を上げようとしましたが、なかなか上手くいかなかったそうです。そんな中、大阪府の予算で北摂地域の6市14施設と一緒にスイーツを扱っている福祉施設の商品パッケージを良くしていこうという1年間のカリキュラム授業を組み、その結果スイーツの売り上げが上がったとお話していました。この時、場所と見せ方を変えれば物は動き、売れる。これを目の当たりにしたそうです。
そして自分が施設を作るとなった時に、工賃が回り、利用者さんは働く力を身につけられるものをと考えていたそうです。そこで、営業が難しいのであれば都市部、都市部で必ず消費されるものはランチ、サラリーマンビジネス街にランチを作るカフェをとの考えに至り、淀屋橋にカフェ併設の障害者福祉施設GIVE&GIFTをオープンすることになったそうです。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)
次週も中川悠さんにお話を伺います。10月21日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。