現在開催中のNO-MA開館10周年特別企画展「快走老人録Ⅱ-老ヒテマスマス過激ニナル-」。
2006年に第1弾を開催し、好評を得た同展。NO-MA10周年を迎えた2014年は高齢化がさらに進み、認知症、孤独死など多くの社会問題に誰もが向き合う時代になっています。
この「老い」について、NO-MAは10年間続けてきた「ボーダレス・アート」という展示手法と「アール・ブリュット」を通して見つめ直そうとしています。
今回の現地リポートは、同展を企画した、はたよしこアートディレクターに作品解説と展覧会の見どころを教えてもらいます。
1階の展示室。福田増男さん(滋賀県)の、親しみやすいイラストながらもどこか不思議な雰囲気を醸している絵について、どうやって描かれているのか、この絵から感じる不思議な感じはどこから来るのか、絵を目の前にして教えてもらいました。
2階の展示室に移動。西之原清香さん(鹿児島県)の多彩な造形物を前に、普段の西之原さんがどこで創作に勤しんでいるのか制作背景についてお話しいただきました。また、なぜこのような多様な表現を西之原さんができるのか(しているのか)、はたディレクターの推論も聞かせていただきました。
「人生の最終カーブをブレーキもかけずに、キュンキュン走る快感は、もはや老人の余暇活動ではありません」という展覧会コンセプトの一文を実感するとともに、経済面だけではない、豊かに老いる力というものが存在するということを感じることができる。そんな展覧会でした。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。
(音声は、毎週月曜日に更新されます。)
次週は、「快走老人録Ⅱ」の出展者のお一人である現代美術家の折元立身さんに、展覧会場(NO-MA)で、ご自身の作品、制作スタンス等についてお話を伺います。8月29日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。