2015年2月21日(土)~3月22日(日)
日本のアール・ブリュットの多くは福祉の現場から発見されてきました。自分のこだわりに忠実に、そして切実に表現していく彼らの行為は、彼らの気持ちや考えを知る、言葉以外のもうひとつの方法でもあるのではないでしょうか。
私たちの予測を超え、意表を突く表現の数々は、見えない世界を顕在化させ、私たちの考えや意識を深く押し広げるきっかけを与えてくれます。アール・ブリュットの作り手たちによる表現行為は、まさに見える世界と見えない世界を行き来する彼らの冒険の軌跡と言えるかもしれません。
本展では、日本のアール・ブリュットとともに、ヨーロッパの著名なアール・ブリュット作家アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)の作品26点を特別展示いたします。ヴェルフリもまた、見える世界と見えない世界を縦横無尽に旅した作家です。彼はその旅を『揺籠から墓場まで』と題した2,500枚にも及ぶ架空の冒険物語として描き出しました。世の中が第一次大戦に向かう中、孤独の中に生きたヴェルフリの夢や欲望が投影されたこの壮大な冒険譚は、アール・ブリュットを提唱した画家ジャン・デュビュッフェをはじめ多くの人の心を捉えました。
今展では、長い年月を経てもなお、世界中の人々を魅了し続けるアドルフ・ヴェルフリの作品と数多くの日本のアール・ブリュット作品を、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAを拠点に情緒あふれる界隈で展示し、滋賀、近江八幡から国内外へ向けてアール・ブリュットの魅力を発信いたします。
会場 | ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(近江八幡市永原町上16)+近郊6会場(カネ吉別邸、旧吉田邸、奥村邸、かわらミュージアム、旧八幡郵便局、尾賀商店、その他 町なかショーウィンドウ) |
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開館時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 前売券700円、当日券1,000円、1館チケット300円 |
記念講演「なぜ人は絵を描かずにいられないのか―アンリ・ルソーとアドルフ・ヴェルフリの物語―(仮)」
日 時:2月21日(土)13:00~15:00
会 場:まちや倶楽部(近江八幡市仲屋町中21)
定 員:80名(要予約)
講 師:遠藤 望(世田谷美術館学芸員)
同時開催「NO-MAのちっちゃなお祭り」
美術家・小山田徹の作品『ちっちゃい火』を囲みながら、おしゃべりや飲食を楽しむ小さなお祭りを開催します。
講 師:小山田 徹(京都市立芸術大学教授)
時 間:14:00~21:00
会 場:八幡児童公園
定 員:なし(無料・予約不要)
講 師:奥平 俊六(日本美術研究者、大阪大学教授)
日 時:2月28日(土)13:00~14:30
会 場:酒游舘(近江八幡市仲屋町中21)
定 員:80名(要予約)
演劇で声を取り戻していく“どん底”を生き抜いてきた女たちの物語。トークでは<表現を通して自分を伝える>ことについて皆で一緒に考えます。
映画「トークバック 沈黙を破る女たち」
トーク「表現を通して自分を語ること」
講 師:坂上 香(映画監督)
講 師:西川 勝(大阪大学コミュニケーションデザインセンター特任教授)
日 時:3月1日(日)映画上映13:00~15:00/トークセッション15:15~17:00
会 場:酒游舘(近江八幡市仲屋町中21)
定 員:80名(要予約)
講 師:保坂 健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)
日 時:3月7日(土)13:00~14:30
会 場:酒游舘(近江八幡市仲屋町中21)
定 員:80名(要予約)