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ラジオ番組「Glow 生きることが光になる」『ひとりの医者として アール・ブリュットを支えること』

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今週のゲストは、滋賀県医師会長の笠原吉孝さんです。笠原さんは医師である傍ら、多くの社会活動にも取り組まれていらっしゃいます。その一つにNPO法人の理事長としての活動があります。その名も「NPO法人はれたりくもったり」。とてもユニークな名前ですが、アール・ブリュットを世に広く発信する事業を軸としています。今回は、そんな笠原さんがアール・ブリュットに出会ったきっかけや、普及に努める思いについて伺いました。


笠原吉孝さん(左) アサダワタルパーソナリティー(右)

アール・ブリュットとの出会いは、京都で開催されていた展覧会とのこと。心に直接訴えてくる作品だと思ったそうで、「今まで見たことがない」ではなく、「昔見たことがある」と感じたそうです。それは昔、自分が子どもの頃に描いていた絵で、笠原さん曰く「学校で先生から描き方を習うことよってパワーがそがれてしまう前の絵」とのこと。作品にとても心を掴まれ、この活動を熱心に推進していた北岡理事長(社会福祉法人グロー)に会っていろいろ話を聞いたところ、作品の散逸が一つの課題となっていると知り、それなら「作品を守り、適宜展示をして観てもらおう」と思い立ち、NPO法人はれたりくもったりを立ち上げたのだそうです。
はれたりくもったりが守っている作品として澤田真一さんの作品があります。その澤田さんは一昨年のヴェネチアビエンナーレに招聘作家として選ばれ作品が展示されたのですが、笠原さんも実際に展示をご覧になったそうで「これからの現代美術に対する示唆を感じた」そうです。社会にウケそうだとか、高く売れそうだということが先に立って見える作品は、違うよと示しているように見えたと。

本業である医療について、対象者(患者)とともにその人の人生をつくっていくという意味において「医療はアート」とおっしゃる笠原さん。障害や老いをマイナスと捉えるかどうかは考え方次第で、老いることで出来ていたことが出来なくなっていくというのは、残念ながら誰にでも起こること。しかし、その限りがある中で自分の使命をどう果たすか、いかに今を生きるか、自分の持っているエネルギーを発散していくかにかかっていると力強く語られました。本業含め、笠原さんのすべての活動の根底に横たわっている考え方として「絶対値というものはない」ということがあるそうで、絶対こうでなければならないと考えるのではなく、どんなことでも自分にできる限りのことをしようと考えるのだそうです。
笠原さんの活動を知るにつれ、なぜこんなことまで?と思うほど、さまざまなジャンルに関わっておられるのですが、その幅の広さの所以がとてもよくわかったトークでした。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。
(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)

次週は、大津パルコで公開収録された、作家の田口ランディさんとびわこ成蹊スポーツ大学長の嘉田由紀子さんの対談です。「アール・ブリュットへ その道程と幸福について」と題し、それぞれのお立場で寄り添ってきたアール・ブリュットについて語っていただきます。1月23日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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