ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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ラジオ番組「Glow 生きることが光になる」公開収録トーク『アール・ブリュットへ その道程と幸福について』前編

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アサダワタルパーソナリティー(左) 田口ランディさん(中央) 嘉田由紀子さん(右)

今週は、昨年12月に大津パルコで公開収録された、作家の田口ランディさんとびわこ成蹊スポーツ大学長の嘉田由紀子さんのトークです。アール・ブリュットに深く魅了され、広い視野から支え続けてきた田口ランディさんと前滋賀県知事でもあられる嘉田さん。作品そのものだけではない、それを取り巻くあらゆる環境も織り交ぜられたアール・ブリュット的哲学について対談いただきました。

ランディさんは、NO-MAとアール・ブリュット・コレクション(スイス)との合同企画「アール・ブリュット-交差する魂-」展がNHKの「新日曜美術館」でアール・ブリュットが特集されたときに、ナビゲーターを務められたのが、アール・ブリュットと出会いと話し始めました。そこからアール・ブリュットが大好きになり、パリでの「アール・ブリュット・ジャポネ」展も観に行ったり、さまざまなイベントに参加され、すっかり一応援団となったそうです。アール・ブリュットは非常に起爆力のある芸術で、取り込むことによって世界が少しずつ変わっていくような力を持っている作品群なので、もっといろんな人に知ってほしいなと思い協力していると、アール・ブリュットに対するご自身のスタンスをお話しされました。

嘉田さんとアール・ブリュットとの出会いは、2006年に知事に就任された時にNO-MAを訪問された時に遡るそうです。そこで澤田真一さんや鎌江一美さんたちの作品に出会い、心を揺さぶられたとのこと。その気持ちがどこから湧くのだろうと考えたら、学生時代に、アフリカで半年暮らしていた際に出会った、暮らしの中で粘土をこねて物を作ったり、木を削って形を生み出したりという、その人たちの心の動きや、形として出てくるものとつながったのだそう。私たちが文明の中で、あるいは近代社会の中で失っているものを、この作者たちは失わずに持っているのではないかと心を動かされたそうです。福祉というジャンルとか芸術というジャンルを超えて、人間性に根差した芸術ということで応援したいということで、知事時代にさまざまな活動を展開されました。

この公開収録をした時期は、パルコ大津店で「アール・ブリュット ゾーン パルコ」展が開催されており、話題はパルコとアール・ブリュットということに。パルコはお二人の時代感覚からいってキッチュでポップなイメージとのことで、一種の憧れもあったそうです。宣伝戦略として懐かしいけれども未来的という時代だった頃のパルコを彷彿とさせるということで、ランディさん曰く「アール・ブリュットとパルコ、いけるじゃない!」とのこと。

アール・ブリュットは「社会が認めるうまいものを描かなくていいんだ」ということを教えてくれるものでもあるというお二人。「私」を出して良いということに気づき、私の中の忘れていた何かを思い起こさせてくれるのだと。

さらに話は、アール・ブリュットと右脳・左脳ということに及びます。左脳が肥大化しすぎてくると、今のような閉塞的な社会になる。人間は右と左の脳のバランスが大事であるが、いまこのバランスを失ったこの日本をどうやって突破していくかということに、もしかしたらアール・ブリュットが機能するかもしれないというダイナミックな理論が展開されました。ここからトークはさらに盛り上がりをみせます。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)

次週も引き続き、田口ランディさんと嘉田由紀子さんの対談です。1月30日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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