ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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ラジオ番組「Glow生きることが光になる」6月のゲスト保坂健二朗さん「アール・ブリュットはどこへ向かう? その魅力と可能性について」後編

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ラジオ番組「Glow生きることが光になる」6月のゲスト保坂健二朗さん「アール・ブリュットはどこへ向かう? その魅力と可能性について」後編
先週に引き続き、東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんにお話しを伺いました。


保坂健二朗さん

保坂さんとNO-MAとの関わりは先週のお話しにもあったように、2006年の「快走老人録」のレビューを美術雑誌編集者から依頼されたことに始まります。後編まずは、この展覧会のテーマにもなっていた、老いることとアール・ブリュットないしは表現すること、ということへの関心についてお聞きしました。
保坂さんが専門とされている中にフランシス・ベーコンがいますが、享年83歳であり、最晩年まで活動していた作家でもあります。老いと折り合いをつけながら制作を続けたという観点でも面白い作家と思っていたところに、「快走老人録」という展覧会が企画されたので興味を持ったそうです。高齢者の、お世話が必要な人という面や、作品を鑑賞する人という面ではなく、クリエーションという部分に焦点を当てていくと何かがあると思っていたとのことです。

一昨年度、昨年度とNO-MAが開催した「アール・ブリュット☆アート☆日本」展では、高齢の方々が、観る側でも出展する側でもなく、展覧会の運営に関わるということでアール・ブリュットに関係するということがあったのですが、このようにアール・ブリュットを軸にした参加型のアートプロジェクトについてもお話を伺いました。
アール・ブリュットが世に出るためには周囲のサポートあることが前提ですが、周囲のサポートとして、プロのキュレーター、サポートのプロである支援者のいずれでもない「地域の人」が関わるのは良いと思うとのこと。究極的には「あの展示はもっとこうしたほうが良いと思っているんだけど」といったような地域の人たち発信の言葉が出てくる、つまり裏方中心の関わり方だけでなく、積極的に運営に関わって行くこともミックスされていったら面白くなると思うとのこと。作品から感じ取ることを自由に発言しやすいアール・ブリュットの特性を生かし、このように専門家ではない人たちの言葉を顕在化していくことが、他の参加型アートプロジェクトとの差別化になり得るのではないかとの示唆もありました。
また、来年の秋にはアール・ブリュットにまつわる書籍を出版予定という、楽しみな発表も最後にありました。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週月曜日に更新されます。※祝日の場合は火曜日)

次週から2週にわたって、5月30日に「鳥の目から世界を見る」展のイベントとして行われた、同展出展者である山口晃さんの講演会の様子をお届けします。定員超過により当日参加できなかったという方にもぜひお聴きいただければと思います。6月19日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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