ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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展覧会コラム「魲万里絵 遠くて近い私の風景」その1

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NO-MAでは、8月21日(日)まで、国内外で注目を集めている魲万里絵さんの個展、「魲万里絵 遠くて近い私の風景」を開催しています。今回は、一階の展示会場を少しだけ紹介します。

一階のスペースでは、制作の軌跡にフォーカスをあてた展示内容になっています。初期の2007年から、現在までの作品を時系列で紹介した展示空間です。
会場に足を踏み入れると、まず絵の「色の強さ」に驚かれる人も多いのではないでしょうか。暖色系の色味が多い魲さんの作品。本展一階では、展示壁面を反対色である紺色にし、魲作品の持つ発色の鮮やかさを感じてもらえるような空間にしています。さらに、魲さんの特徴として挙げられるのは、無数のドットや線などの動きを持つ模様です。鮮烈な色と脈動する模様、これら二つの要素が同時に目に飛び込んでくるため、あたかも蠢いているかのような印象を受けるのではないでしょうか。


NO-MA一階の展示風景

また、魲の創作の中で、ユニークなのは、身体の捉え方です。制作初期から現在に近づく程に、描かれる脚や手や液体などが、縦横無尽に入り交り、どんどん複雑な構成になっているのが分かります。まるで身体が一度細かく分解され、一つの大きな塊に再構成されているかのようです。従来から、「生々しさ」や「畏れ」などといったキーワードから語られることの多い魲さんの作品ですが、複雑に絡み合った様々な身体たちは、どことなく賑やかでキッチュな印象も感じさせ、思わず笑みがこみあげてくるような作品が多いことが分かります。
この一階の空間では、多くの作品を一挙にご覧いただき、それぞれの表情を見比べることもできます。どの作品にも通底している感覚や、時間の経過とともに移ろいでいく表現などを探してみるのも楽しいかもしれません。

なお、本展では、今回ご紹介した一階の会場を含め4つのテーマから作品を紹介しています。今後もNO-MAブログやフェイスブックで、テーマに沿った作品の特徴をたびたび紹介いたしますので、そちらの方もどうぞお楽しみいただけたらと思います。魲さんの作品集も、素晴らしい論考が繰り広げられていておすすめです。

【展覧会概要】
NO-MAコレクション Part2+新作展「魲万里絵 遠くて近い私の風景」
会期:2016年6月18日(土)~8月21日(日)
開館時間:11:00~17:00
休館日:月曜日(祝祭日の場合は翌日休館)
観覧料:一般300円(250円)高大生250円(200円) ※中学生以下、障害のある方と付添者1名無料 ※()内は20名以上の団体料金
展覧会URL:http://no-ma.jp/old/?p=13677

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