ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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9月第2週 アール・ブリュットを見つけ出すこと-国内とタイの作品調査現場から-後編

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 先週は、NO-MAの作品調査についての概要を、安藤主任、山田自立生活支援員それぞれの
アール・ブリュットとの出会いや、印象に残っている国内調査について話をさせていただきました。
今週は、タイでの調査についてです。


山田創さん(左)安藤恵多さん(右)

 タイで、どんなところに調査に行かせてもらっているかというと、現地の協力者の方の紹介で、障害のある作者の自宅に行ったり、造形活動等の取り組みをしていることがウェブサイトで紹介されている福祉施設と連絡し、その施設にお邪魔したりしています。
 タイに調査に行くことで感じることをそれぞれに聞くと、安藤主任は、日本との福祉の仕組みの違いをまずは挙げました。日本では障害のある人の暮らしを支える仕組みは、制度として整っていることを感じるが、タイでは国の仕組みというより、もっと小さい単位の思想や個人の思いで考えられていると感じるとのことです。具体的にタイで出会ったエピソードとして、「カルマ(業)」ということが二人から語られました。
 作品調査先で、NO-MAが進めようとしている活動にもとても理解を示してくれて、展覧会ということにも協力的な親御さんが、「この子に障害があるのは、前世のカルマのせいで、今回障害というカルマを背負って生きているので、次の世界ではそういうことがなく生まれてくるのだ」と力説されたそうです。他の話をしていると極めて近代的なのに、根底にはこういう考え方がしっかり根付いているという雰囲気があり、日本における障害者感との違いを感じたそうです。障害があることはカルマだから「仕方がない」という考え方に立脚していると、その支援として制度が組み立てられていくというのは難しいのではないかと感じたとのことですが、この考え方自体がタイの中で正しいとされるかというと、それはまた別の話だろうと思っていると、二人が調査先で延々と語り合った話の一端が紹介されました。
 ただ、そもそもの考え方は違っても、作品の面白さは共有できていると二人とも感じていて、作品を挟んで向かい合うと、考え方の違いがぶつかるのではなく、お互いフラットにそうなのかと受け止められるようになると体感してきたそうです。このことからも、今後も作品調査においては、作品の発掘という観点と同じくらい、人材交流ということにも力点を置いて進めていきたいと決意にも似たまとめで2週にわたるお話は終結しました。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)

来週は、NPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所(通称:ダイバージョン)の井尻貴子さんと三宅博子さんがゲストとして登場し、生きづらさをずらす“迂回路”についてお話しいただきます。9月16日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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