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ラジオ番組「Glow生きることが光になる」9月第4週「生きづらさをずらす“迂回路”を探ってみる -障害福祉現場の事例をきっかけに-後編」

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先週に引き続き、今週もNPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所、(通称ダイバージョン)の井尻貴子さんと三宅博子さんがゲストです。お二人はこれまで研究者や実践者としての立場から、多様な背景をもつ人々の表現活動に関わってこられました。障害のある人やセクシュアル・マイノリティなどの表現活動に携わった経験をもとに、彼女たちは「多様性」と「境界」に関する諸問題に対して「対話」と「表現」を通じ、新たな「迂回路」(diversion)を作ることを今後の目標としておられます。
先週は事例を交えながら、彼女たちが障害福祉の現場を中心にどのような場所に赴き、そのことを言葉にしているかをお話いただきました。今週は更なる事例と詳細を交えて、このダイバージョンという団体がどのような活動を展開していくのか、聞かせていただきました。

お二人が行っている「もやもやフィールドワーク」で、東京都世田谷区にある就労継続支援B型事業所ハーモニーを訪問したところ、そこでは『幻聴妄想カルタ』が活動の一環として作成されていたそうです。カルタの内容は実際にメンバーが体験したもので、このカルタを使用したワークショップを開催し、障害のある人達の体験を多くの方々に知ってもらう活動をしてきたとのことでした。
また、ハーモニーの皆さんと一緒に、新たな幻聴妄想カルタの遊び方を開発するワークショップを行なっているそうです。このワークショップでは、開発メンバーに介護関係者や芸術関係者など、職員やダイバージョン以外のメンバーが入って遊び、人々の経験を共有し交流することで、多様な人達が一緒に楽しめるものを作っていこうという思いがあるとのことでした。
お二人はこれまで実施したたくさんのフィールドワークを通して、多様な人達のあり方は一つではないと考えおられます。このことを発信していくことがダイバージョンにとって重要であり、気付いた人がそれぞれのあり方、よいありようを探っていければという思いがあるそうです。

「もやもやフィールドワーク」は調査編、報告と対話編があります。報告と対話編ではそれぞれでテーマを設けており、言葉にすることを他人に任せるのではなく、自ら問い、話し、考えることが重要だと話しておられました。
また、普段言葉にしていないものをあえて言葉にして紡ぐことで、お互いの共通認識部分と認識のズレの部分が明確になる、このことは福祉分野にも活かせるのではないかということでした。さらに、別分野における同様の悩みや取り組みを、お二人の活動や場所を通して共有・参考にしてもらいたいとの思いもあるとのことです。
ダイバージョンの「東京迂回路研究」は、活動を始めて今年で3年目ということで、3年間の活動の何をどう伝えられるかを考えることが重要であり、これからも他者と共に考えて対話する場を開き続けていきたい。また、自分なりの言葉を紡ぐことを、今後も現場の方々と一緒に続けていきたいと話しておられました。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)

次週は、滋賀県信楽町で取り組まれている、シガラキ・アートコミュニケーションというアートプロジェクトの現場を訪ねます。9月30日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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