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ラジオ番組「Glow生きることが光になる」10月第3週「障がい者の社会的就労という視点からみる造形活動の可能性 中川悠さん-後編―」

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先週に引き続き、株式会社きびもく、NPO法人チュラキューブ代表中川悠さんをゲストにお迎えします。中川さんのお仕事は、地域コミュニティーや産業の問題、障害者の社会的就労など、様々な社会的課題の持つ一つ一つの要素を他のジャンルとの共同や独自のアイディアをつなぎ合わせることでユニークに解決することを行っている。イシューキュレーターを名乗っています。
先週はなぜこのような仕事を目指したのか、福祉の分野に関心をもたれた背景をお伺いした。今日は、障害のある方の社会的就労という視点から、アール・ブリュットをはじめ様々な造形活動が行われているが、これらをどのように捉えているか伺います。


プライベートでも仲良しというアサダパーソナリティー(左)と中川悠さん(右)

先週お話しいただいた、大阪淀屋橋にオープンしたカフェGIVE&GIFTは、オフィス街のど真ん中でランチを提供しており、大繁盛しています。中川さんは、都市部に開業し、繁盛するということは障害者の方々にとっても自分たちが作ったものが売れている、就労しているという実感が生まれ、一生懸命に働こうという意識がでてくると言います。また、都市部に電車通勤することで服装がお洒落になるなど、自分に気を遣うようになるという効果もあるとのことです。
中川さんはこのような施設を運営されているなかで、重度知的障害者の生活介護施設などで表現活動を見出され、作品になり、人の目に触れるということは素晴らしいことであり、この世界は応援していきたいと思っていると話しておられました。しかし、この表現活動を障害のある方の就労という視点で考えた時に、就労継続支援事業所の中で、芸術表現・造形活動をすることは難しくとも考えているそうです。働く力を身につけて、最終的に社会に出て就職することが目標であり、その中で芸術活動をするのであれば、その作品を作るという行為がいかに働くことにつなげるのかが大事だと話されていました。
現在、中川さんが京都で取組んでいる活動が、伝統工芸の担い手(絵を書く人の担い手)を、障害者の方ができないかという取組みで、ろうそく屋さんと一緒に行っているそうです。これは芸術活動をされている障害のある方が、継ぎ手がいない伝統工芸の世界で就労し、働く力につながるかもしれないと考えたからだそうです。
就労系の施設の中でも、芸術活動で作ったものをいかに地域につなげていくか、いかに企業につなげていくか。福祉職員の方々が覚悟を持って、汗をかきながらやっているのか、それを売るためだけではなくて、彼ら自身の働く力、生きていく力をつけるために行っているのか、疑問を投げかけておられました。
中川さんが福祉施設を運営して気がついたことが、福祉職員は支援と制度の研修しかなく、「商品を作ろう」「仕事を取ってこよう」といった、授産についての専門的知識を学べる場というものがないということだったそうです。そして、今後も福祉施設が芸術活動を続けていくのであれば、それをどのように価値付けするのかの教育をする必要があり、作品をどのように販売していくのかのルート作りをみんなでやっていかなくてはいけないと話され、とても大事な視点をいくつも投げかけてくださいました。

放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)

次週はNO-MA展覧会「楽園の夢」関連イベント、都築響一さん(編集者・写真家)によるトークの公開収録をお届けします。10月28日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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