2008年1月12日(土)~2月17日(日)
手を動かして物を作ることが当たり前の人たちが、捨てられるはずの物をもう一度生かして、自分たちのためにお茶の間を飾る-それが「近江八幡お茶の間ランド」!
この展覧会では、歴史あるふつうの町である近江八幡を、新興都市・横浜からきたアートグループART LAB OVA(アートラボ・オーバ)がたずね歩き、出会った慎ましやかでキョーレツなパワーを持つ人と物を町屋ミュージアムに再現。横浜周辺から自室を飾る人や生活の在り方を追求しているアーティストも参加して、「暮らすこと」「作ること」「表現すること」のおもしろさと不思議さに迫ります。
近江八幡の人々のアイデアで、展示は常に増殖し変化します。
通うほどに味わい深くなる「お茶の間ランド」にちょっと寄ってくれはらへん?
会場 | ボーダレス・アートミュージアムNO-MA |
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開館時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日休館) |
観覧料 | 大人300円、高大生250円、中学生以下無料 |
「八幡町靴職人の甥、河井一成さんの『うちのおっさんの工房ツアー』」
*各日2日前までに予約/定員5名くらい
10:00~17:00
物々交換カフェ・エノアール(いちむらみさこ+小川てつオ)
10:00~17:00
「大里健一朗くんの『けんちゃんのファンタジーランド』公開制作」
13:00~17:00
「酒井清さんの『公開お部屋レイアウト&雑談』」
14:00~17:00
「林大樹くんの『ヒーローのアトリエ・パーティin 近江八幡』」
14:00~16:00
「李ガンソク先生の『ひみつ基地をつくろうワークショップ』+吉田りえちゃん率いるウクレレ・バンド『れれれ兄弟ずライブ』」
13:00~
「もったいないや白井貞夫さんの『お宝話』
15:00~
「荒物屋ます六本店、きろくさんの『近江八幡今昔』」
13:00~
「カフェ・エノアールの『Let's ゴミ! 分別ショー』」
15:00~
「森の大工さんの『昔おもちゃ作りワークショップ』」
*2日前までに予約/定員10名くらい
16:00~
「何が起こるかわからないファイナルパーティ『グランドフィナーレ』」
白井貞夫さん
近江八幡で、20以上の団体の役員を務め、みなさんから尊敬され、頼りにされているとってもすてきなおじいさま白井さんは、町内でも知られたコレクターです。今回、NO-MA2階の1室に、白井さんの工房兼お宝収蔵庫である蔵からコレクションの一部をお借りして展示しています。
中山喜代子さん
キューピー人形に様々な洋服を編んでは着せている。いろんな職業の服装は、「編みよるうちに、こういう形になる」。「だからね、結局、生きてくるわけ、死んどるものでも。少しの毛糸で編んだり、なんかすると生きてくるんよ」と話しています。この展覧会で、宇和島でお風呂屋さんをされていたことが判明。お風呂屋さん当時の暖簾も展示しています。
酒井清さん
信楽青年寮で、生活している酒井さん。お部屋にあった、たとえば木原光知子さんなどの死亡記事や朝青龍などの切り抜きを貼ったコルクボードをNO-MAで再現。コルクボードの隣には拾った(?)人形が。なぜか、手には楊枝でつくった「たいこのバチ」が、持たされています。酒井さんのお部屋にあるテレビの上におかれていたものも展示されています。
吉田りえさん
「ペコちゃん」「はかり」などは、近江八幡で明治30年からおじいさんが営んでいたお菓子屋さんのグッズ。そして、趣味で集めたこいのぼり、金太郎の絵が描かれた布、お風呂屋ののれんなどの和系のアンティーク。それらを使って小さなお部屋を思いっきり装飾している「りえちゃん」のお部屋を、りえちゃん自身に再現してもらいました。
大里健一朗さん
横浜の自宅で、毎晩、タンスや窓が開かなくなるほど、部屋中にファンタジーランドを展開している大里健一朗さんは、今回、展覧会の2日前から、会場入りして、滞在制作をしてくれました。近江八幡駅前や八幡山のロープウェイなどが展示してあります。観覧者の皆様にファンタジーランドを増殖してもらうべく、牛乳パックなどを並べてお待ちしています。
エノアール
今回の展示は、テント村で鍛えた目で近江八幡の「ゴミ」を発見し、それでカフェをつくり、「物々交換」でお茶を出します。ゴミにまつわるエピーソードや出来事なども取り入れながらイベントを行い、ゴミの多彩な姿を現すものとして「生きゴミ様」を制作しました。現在はドキュメントを館内にて放映しています。
坂口恭平さん
強烈なパワーを持った近江八幡の人たちに溶け込んで全く違和感のない、それでいて圧倒的な空間を作り上げました。今回は、妄想の都市のドローイングを近江八幡産の段ボールを使って立体化した作品を蔵に1週間かけて制作をしてくださいました。
ます六本店
出町通り沿いにある、ちょっと変わった荒物屋「ます六」本店。8代目ですが、現在は店はほとんど開けておらず、水周りの修理をはじめ何でも屋として近隣を走り回っておられます。お花の先生としても大活躍中です。時代が止まってしまったような店内から、昭和の香りのするグッズを大量に運び込んでの展示となりました。ものによっては販売も可能です。
扇伊醸造醤油店
NO-MAの近所にある8代続いた醤油屋さん。母娘の連係プレーにより実現したディスプレーをそのままNO-MAの入り口に再現。金魚を飼っていた水槽には犬の食頑が綺麗に並び、その隣には、近隣のお年寄りのために考案した手工芸品が並んでいます。
森の大工さん
八幡を歩けば風車にあたる、ほど至る所で見かけるカラフルなペットボトル風車や竹とんぼ、竹ぽっくりなどから、孫のために作ったスマートボール、はたまた家庭菜園で作ったひょうたんなど、様々なものを作っておられます。2月17日には「ぶんぶんゼミ」という手作りおもちゃ作りワークショップを開催してくれます。
中守秀雄さん
自宅で鈴虫をなんと6千匹も飼育し、近所のイベントなどで子どもたちに配っておられます。2代目鈴虫おじさんの手作り虫かごを展示。こおろぎたちは今は卵で土の中にいるので、かごをお借りする事ができました。膨大な数のモノたちに占領されているNO-MAにたった二つの虫かごですが、なぜか不思議な存在感を醸し出しています。虫に対する愛情が伝わってきます。
滋賀朝鮮初級学校・サポートハウスみんなのいえ
NO-MAの前の道路は「朝鮮人街道」です。渡来人との文化的交流を図るための道路にちなんでの展示です。展覧会の始まる前、サポートハウスみんなのいえの子どもたちにNO-MAに来てもらい、絵具で足跡をつけるワークショップを行いました。その足跡の上を、滋賀朝鮮学校の子どもたちが作った朝鮮通信使がNO-MAの中を歩きます。
お父さんと一緒にNO-MAにお越しになってパフォーマンスを繰り広げてくださいました。何回も見返して擦り切れてしまった戦隊ヒーロー、ロボットなどが登場するビデオをセットし、そのテレビの主人公とシンクロしながらのライブは必見。NO-MAでは、その様子を映像で紹介。
写真:高嶋清俊