前期:2020年(令和2年)11月28日(土)~ 12月27日(日) 後期:2021年(令和3年)1月9日(土)~ 2月7日(日)
会場 | ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町上16) |
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開館時間 | 11:00~17:00 |
休館日 | 月曜日(1月11日は開館、翌12日休館) 展示入れ替え:12月28日(月)~1月8日(金) |
観覧料 | 一般200円(150円) 高大生150円(100円)中学生以下無料 ※障害のある方と付添者1名無料 ( )内は20名以上の団体料金 |
主 催 第17回滋賀県施設・学校合同企画展実行委員会、ボーダレス・アートミュージアムNO-MA[社会福祉法人グロー(GLOW)]
後 援 滋賀県、滋賀県教育委員会、近江八幡市、近江八幡市教育委員会
協 力 一般社団法人近江八幡観光物産協会、社会福祉法人しみんふくし滋賀
助 成 障害者芸術文化活動支援センター運営費補助金(滋賀県)
出展施設
[前期] 伊香立の杜 木輝/えがお/救護施設ひのたに園/さくらはうす/さんさん/滋賀県立野洲養護学校/社会就労センターあおぞら/障害者支援事業所いきいき/ステップあップ21/たいよう/能登川作業所/
[後期] 愛育苑/あそしあ/おうみ作業所/かなえ/甲賀福祉作業所/滋賀県立近江学園/信楽青年寮/バンバン/ピアーズ/ひまわりはうす/放課後等デイサービスじょいなす/放課後等デイサービス第2ももスマイル
[協力施設] 滋賀県立信楽学園/にっこり作業所/彦根学園
[アドバイザー] 野原健司(美術家)
※五十音順・敬称略
実行委員が撮影した作者の制作風景動画「ing movie」を、前期・後期の展示期間に合わせて配信します。作者の制作について知り、作品をより深く楽しめるチャンス。ぜひご覧ください。
「ing movie」のご視聴はこちらから→http://no-ma.jp/old/ing-movie
前・後期出展者30名のうち、いくつかの作品をご紹介します。
おしゃれな彼女は、新しい服を誰かが着てくると、駆け寄り 「それいいやんかー。どこで買ったん。スゴイいいわー。」とすぐさま褒めに来てくれる。
もちろん、自分のコーディネートも季節に合わせデニムシャツや、かわいいセーターだったり、重ね着を工夫したりと幅広い。作業所のバス旅行前、何日も前から「何着て行く?」と彼女に聞かれ全く無頓着な自分はハッとさせられた記憶がある。カバンも抜かりなくほぼ毎日替えてくる。布、織り、紙、ビニール製と素材も豊富。前日か朝に用意をするのも楽しみなのだろうか。
そんなおしゃれ大好き彼女が、午後の創作活動の時間、丹念に織り上げた作品だからこそ、華やかで、若々しいオーラを感じて頂きたい。
午前中の作業も、新しい仕事が入ってくると誰よりも率先してチャレンジしたいと猛アピール。同じ所にとどまるのではなく常に前へ前へ気持ちを向ける姿勢には、頭が下がる。
[能登川作業所/西原祐子]
彼女はチャレンジ精神が旺盛である。
「やってみたい」という気持ちは、「楽しそう」から始まる。
陶芸に触れる機会があり、やってみたいと思い、今も続けている。
「楽しくなきゃ、やめてる」と、彼女は笑って言った。
空想上の生き物や猫が好きで、好きな物を作っている彼女は楽しそうだ。
彼女の作品のモチーフは生き物だが、見る人によって捉え方が異なる。
また、彼女自身もいくつもの捉え方をしているようだ。
人との関わりが好きで、初対面の人にも自ら交流しにいく。
流暢に喋り、歌い、踊り、周りの人を惹きつけ笑顔にさせる。
彼女は、そんな魅力を持っている。
[ステップあップ21/加藤正子]
「オフィスヘンミ」「オフィスヘンミ」「お腹」いったい何の言葉なのだろうか。初めて目にした時に思ったのはそれだった。制作の様子を見ていると、一つひとつの文字をハサミで切り抜き、その後、丁寧に糊で貼っていた。一見、文字を書いているだけに見える作品だが、よく見ると、このひと手間がわかる。
作品を見比べると、色使いにルールがある事に気づかされ、何度も登場する言葉には強い思い入れを感じる。言葉はTV関連のものが多いようだが、よく分からないものもある。時たまやってくる、思わず、くすっと笑ってしまうような言葉もおもしろい。そんな言葉を探しながら、彼の世界を味わってほしい。
[伊香立の杜 木輝/向畑健太郎]
表情がどれもユニークな『くらげ』。作者である彼のひょうきんな性格や表情と重なる。ゆっくり粘土を伸ばし丁寧にくらげの足を作る。幾重にも重ねる手法は彼の得意とする製法だ。顔のパーツを作る時には「目ですよー」、「今度は大きい目ですよー」と和やかに知らせてくれる。それに混じって小さな声で冗談を言い…「え?何?もう1回!」と返すとにっこり。体調が優れず思うように作陶出来なくなってくると、母から「くらげが出来たら庭に飾るよ」と言われ、それを目標に頑張っていた。紐を通せるようにと母からの要望で額には穴が開けられている。色付けにも挑戦!最初は緑一色だったが、夢中で他の色も重ねていた。作り終えた後に「陶芸って楽しいですね」とつぶやいていた。
家の庭で泳ぐ「くらげ」を彼も家族と見たかっただろうと思う。作陶しながら冗談を言って、グフフと笑っていたあの笑顔を思い出す。
[社会就労センターあおぞら/松本奈美]
彼は、通所するといつも右手を挙げ「よっ。」と挨拶する。中学、高校の頃は不登校となり、家から出られずにいた。今はハンバーガーを食べに行ったり、ユーズドショップを巡って好きな玩具を探したりしている。
彼は、冗談も好きでよく笑う。職員の髪型の変化や職員のミスに気がつくと何かいいものを見つけたように笑う。彼は、周りをよくみている繊細な人でもある。彼が気に掛けていることは多く、表情が曇り、言葉も出なくなるときがある。だが、これまでそれらを乗り越えてきた強い一面を彼は持っている。ふと、その強さに触れたとき、彼をとても頼もしく感じる。
[ひまわりはうす/堀尾成史]
彼は、同じテーマの作品を何年も描き続けている。鉛筆での下描きはほんの一分ほどで終える。次に色鮮やかなパステルで塗り重ねていく。 指先のパステルに体重を乗せるように大きく腕を動かしていく。パステルの粉が宙を舞い、彼の体も同じ色に染まっていく。最後は、墨跡鮮やかにモチーフである「ヒョウ」のシルエットを描き、完成だ。
下描きはするが、墨はそれをなぞらず、プロセスを大事にしているようだ。定番のモチーフは動物の「ヒョウ」や「カメ」であるが、身近な人物も描いている。作品が完成する時には、顔も体も真っ黒になるが、それは彼にとって一心に絵を描いた証であり、いつも誇らしげな表情を見せてくれる。
[バンバン/古株昭子]
本展における新型コロナウイルス対応について
来場される方には、以下の対応をお願いします。
① 体調不良(発熱・咳・咽頭痛・味覚障害などの症状)の方はご来場を
ご遠慮いただきます。
② マスク着用、こまめな手洗い、アルコール等による手指消毒をお願いします。
③ 観覧中は、他の人と接触しない程度の間隔を確保してください。
(障害のある方等の誘導、介助を行う場合は除きます)
④ 来場者が多い場合は、入場を制限させていただくことがあります。
⑤ 大きな声での会話はご遠慮いただきます。
主催者として、以下の新型コロナウイルス対策を徹底します。
・スタッフは毎日、検温・体調確認を行い健康管理に努めます。
・スタッフはマスク着用の上で案内いたします。また、こまめな手洗いを行います。
・館内のドア、手すり、トイレなど、手を触れられる箇所の消毒を強化します。
・館内は密閉した空間にならないよう、定期的に換気を行います。