ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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展覧会情報

これまでの展覧会

79億の他人――この星に住む、すべての「わたし」へ

2021年9月18日(土)~11月21日(日)

2021年現在、およそ79億の他人が、地球の上で共存しています。めいめいの身体、人種、性、思考、社会的立場――79億通りの差異は、この星の一人ひとりを、替えが効かない唯一の「わたし」たらしめています。それと同時に、その差異は「わたし」以外の人間を「他人」として分かつものでもあります。
自己と他者という越えがたい分断を前にしても、わたしたちは互いの差異を認め合ったうえで、関係を築こうとします。反対に、差異を認めず関わりを断つ、という態度が形になるとき、それは排除となるのでしょう。目が眩むほどの他者性を前にして、共生の道を模索することも、ある一方を迫害に追いやってしまうことも、わたしたちは、どちらのことにも接しています。
世界共通の目標であるSDGsにおいては、「誰一人取り残さない」持続可能でよりよい社会の実現を目指しています。その一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う社会構造変化の劇的な速さは、それについていけない誰かを見過ごし、新たな排除を生み出しかねないものでもあります。
いかに多様であるか、いかにコミュニケーションするか――いま、世界人口約79億人(わたしたち)は、こうした問いにさらされています。
本展「79億の他人」は、こうした問いに向き合うための企画展です。NO-MAとまちや倶楽部の2会場に展示する12組の出展者の表現は、いまの時代の「わたし」らしさや、他のすべての「わたし」を含むこの世界の79億人がともに生きることについて、大事な示唆を与えてくれるでしょう。

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会場第1会場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町上16[旧野間邸])
第2会場:まちや倶楽部(滋賀県近江八幡市仲屋町中21)

開館時間11:00~17:00
休館日月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料共通券500円(450円)、一館チケット300円(250円)
※中学生以下無料
※障害のある人と付添者1名無料
※( )内は20名以上の団体料金
※11月13日(土)14日(日)は関西文化の日のため無料開館

主催 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、社会福祉法人グロー(GLOW)~生きることが光になる~

後援 滋賀県、滋賀県教育委員会、近江八幡市、近江八幡市教育委員会

協力 社会福祉法人さふらん会、社会福祉法人創樹会、社会福祉法人びわこ学園、MEM


関連イベント

「みんなの”鑑賞”」を考えた人が案内する鑑賞会

本展に出展する「みんなの“鑑賞”」プロジェクトメンバーとNO-MA学芸員による、作品鑑賞会です。普段とは違う世界の捉え方で、作品に向き合ってみませんか。
会場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
定員:各回5名(要予約)

障害者支援事業所いきいき+野原健司と楽しむ鑑賞会
日時:10月1日(金) 13:30-14:45
こちらのイベントは終了しました。

しが盲ろう者友の会の人たちと楽しむ鑑賞会
日時:10月8日(金) 13:30-15:00
こちらのイベントは終了しました。

NO-MAご近所、動画なRADIO放送局

重要伝統的建造物群保存地区にラジオブース風スタジオが登場。町づくりコーディネーターから、ベテランNO-MAボランティアまで、多彩なゲストによるトークプログラムを実施します。ラジオプログラムはインターネットで配信します。
動画視聴や、プログラムの詳細は特設サイトをご覧ください。
特設サイトはこちら

インターネットが上手く使えないけど、トークが見たい・聞きたい方へ

ラジオブース風スタジオとなる、旧増田邸を土日祝に公開します。会場の中に、過去の放送を聞いていただけるコーナーを設置します。
会場:旧増田邸(近江八幡市仲屋町中4) ※NO-MAから歩いて5分程度。
日時:2021年9月18日(土)~11月21日(日)の間の土・日・祝 11:00-17:00

おいでよ近江八幡! ガイドは、NO-MAのご近所さん。

近江八幡をよく知るご近所さんにガイドになっていただき、NO-MAや近江八幡の旧市街地をめぐります。いつもの旅とはちょっと違う、「ならでは」を味わいたい人、ぜひご参加下さい。

第1回 田口真太郎さんとめぐる、町歩きツアー 

※このイベントは終了いたしました。
長年、近江八幡の町おこしに携わってきた田口さん「ならでは」の魅力発見ツアー
日時:10月9日(土)13:30-15:00 会場:NO-MA近隣 近江八幡旧市街
ガイド:田口真太郎(成安造形大学 未来社会デザイン共創機構 研究員)
定員:10名(要予約) 参加費:無料

第2回 宮村利典さんとめぐる、町歩きツアー

※このイベントは終了いたしました。
「79億の他人」展の会場であるまちや倶楽部オーナーの宮村利典さんに、建物の魅力や町づくりについて伺います。
日時:11月6日(土) 13:00まちや倶楽部 集合 14:00解散
会場:NO-MA近隣 近江八幡旧市街
ガイド:宮村利典(まちや倶楽部 代表)
定員10名(要予約) 参加費:「79億の他人」展観覧料

第3回 大山真さんとめぐる、町歩きツアー

※このイベントは終了いたしました。
大山さんは幅広い領域のデザインを手掛けるかたわら、「北之庄菜」を地域のブランド野菜にしようというプロジェクトのリーダーもされています。今回の町歩きでは、水郷風景が美しい北之庄を歩きながら、北之庄菜の収穫も体験していただく予定です。

日時:11月7日(日) 10:30NOーMA 集合 12:00ごろ解散
服装:長靴(こちらでご用意することもできます。ご相談ください)
ガイド:大山真
定員5名(要予約) 参加費:無料

NO-MA美術館と知る芸術の秋、おいしいまち

この秋、“芸術鑑賞”しませんか?

※このイベントは終了いたしました。

NO-MAの「なに?」を知っていただくイベントです。

展覧会を見ながら、「旧市街」や「重要伝統的建造物群保存地区」のおいしいお店などをご紹介します。

「なんかわらないけど、なんかいい。」

NO-MAとちかくのまちの魅力を再発見していただく、芸術の秋にぴったりな鑑賞ツアーです。

■日 時:2021年11月20日(土)10:30~12:00
■集 合:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(近江八幡市永原町上16)
 ※NO-MAとまちや俱楽部での展覧会鑑賞のほか、2つの会場を結ぶ町並みを楽しみます。
■定 員:20名(要予約)
■参加費:無料 ※参加される方は、観覧料が無料になります。
■主 催:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、社会福祉法人グロー(GLOW)

令和3年度ボーダレス・アートミュージアムNO-MA地域交流事業
企画展「79億の他人―この星に住む、すべての『わたし』へ』関連イベント

 

ご予約・お問い合わせ

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
TEL/FAX 0748-36-5018
Mail no-ma[ at ]lake.ocn.ne.jp ※[ at ]を@に変換してください。

※関連イベントは、展覧会と同時に開催する企画「ニューノーマル時代にアートで人をむすぶプロジェクト」の一環として実施するものです。詳細はこちらをご覧ください。
事業名 ニューノーマル時代にアートで人をむすぶプロジェクト
主催 アール・ブリュット魅力発信事業実行委員会
助成 令和3年度 文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業

出展者

北野謙 Kitano Ken

≪our face≫ 近江高校野球部員42人を重ねた肖像 2002年9月12日 滋賀県彦根市近江高等学校グランド

東京都出身 東京都在住 1968-

自己と他者の存在、自己と社会の関係について思考するプロジェクトを行い、作品を制作している。世界各地の様々な文化や立場の集団を訪ねて撮影し、数十人の肖像を暗室で多重露光して一枚の写真に焼きつけた「our face」などのシリーズがある。

田辺慶大 Tanabe Yoshihiro

≪いろんな兄弟ならべてみたよ≫ 2015

滋賀県出身 滋賀県在住 1999-

代表的なシリーズの一つに《天使のほほえみ》がある。これは、地域広報誌の、1歳児を顔写真付きで紹介する同名のコーナーに由来する制作で、彼は、ここに掲載された実在の1歳児を網羅的に描いてきた。

八幡亜樹 Yahata Aki

≪Kahlek 2017≫ 2017

東京都出身 大阪府在住 1985-

映像インスタレーションを、『「人類の表現=生きること」のための思考装置』と捉え、取材をベースとした作品制作を行なっている。本展で展示する映像作品《Kahlek 2017》は、ミクロネシア連邦のピンゲラップ環礁にある、ピンゲラップ島民にクローズアップした映像である。島民は183人ほどいる。この島では、世界的にも大変珍しい高確率で1色覚(全色盲)、つまり、世界が白黒に見える人が生まれる。

金仁淑 Kim Insook

≪The Real Wedding Ceremony≫ 2016

大阪府出身 東京都在住 1978-

大阪に生まれた金は、2003年に韓国へ渡り、以降、ソウルと東京を拠点に国内外の展覧会に参加している。在日・在独コリアンの家族や朝鮮学校、街のコミュニティの人々とプロジェクトを行い、いくつもの文化の狭間に生きる人々のアイデンティティ、伝統、民族、家族の問題を浮き彫りにする作品を発表してきた。

𡈽方ゑいとヒジカタクミ Hijikata Ei & Hijikata Kumi

ゑいとクミ (K.Art Studioで2011年10月に撮影)

ゑい 愛知県出身 愛知県にて活動1914-2016

クミ 愛知県出身 東京都在住 1976-

大正生まれの𡈽方ゑいは、82歳になってから絵を描き始めた。ヒジカタクミはイラストレーターとして活動している。クミはゑいの孫である。老境にあって、奔放な絵を描きだしたゑいに、クミは感銘を受けた。そして、自らのイラストとゑいの絵を組み合わせたコラボレーション作品を発表したり、2人展の開催を実現した。

五十嵐英之と倉地雅徳 Igarashi Hideyuki and Kurachi Masanori

交叉・対面型・相互描画法によるドローイング 「倉地雅徳×五十嵐英之 Live with Drawing ——人はなぜ「絵」を描き続けるのか」 2015(藁工ミュージアム)展示風景より

五十嵐 京都府出身 京都府在住 1964-

倉地  京都府出身 岡山県在住 1979-

1994年から、「相互描画法」と名付けられた二人の描き合いが始まった。きっかけとなる絵を五十嵐が描き、それを見た倉地が選んだ紙の上に自分の絵として展開させ、またそれに反応して五十嵐が描いていく絵のセッションを30年近く続けている。

intext

≪dimensional wall≫ 2018 Photo: intext

結成:2011頃-

外山央、真下武久、見増勇介によるグループである。言語、文字、書法、印刷、読書、色など、デザイン・プロセスに伴う一定の様式をユニークな視点で捉えなおし、そこから生まれる新たなコミュニケーションの可能性を基軸に展開を続ける。

重症心身障害者通所施設えがお Day Center for Severely Disabled People EGAO

重症心身障碍者通所施設えがお 鈴木彩華 無題 2020

池内亮介、後藤大輔、清水希、鈴木彩華、廣部敬倖

Ikeuchi Ryosuke, Goto Daisuke, Shimizu Nozomi, Suzuki Ayaka, Hirobe Takayuki

滋賀県長浜市にある、重症心身障害者通所施設えがおで行なわれている創作活動。この活動には同施設の利用者5人が参加している。活動に携わる支援者は、5人それぞれの得意なこと、関心のあること、または身体可動域などを鑑み、画材や描画方法を模索し、各参加者の活動につなげている。

佐々木卓也 Sasaki Takuya

ゆみかちゃん 2001

東京都出身 東京都在住 1975-

本展では、粘土で作られた女性のシリーズを展示する。すべての女性像が、折り曲げた左手でまっすぐに伸ばした右ひじの内側に触れる、または右ひじの内側に唇を当てるという独特の姿勢を保持している。母によれば、「小さい頃、自分もよくそうしていたから彼にとってその部分(右ひじの内側)は心の安らぐ大切な場所」であるそうだ。

武田憲昌 Takeda Norimasa

無題 制作年不詳

広島県出身 広島県在住 1970-

1990年代中頃より、自身が暮らしている福祉施設で働く支援者のうち、気になる数名にまつわるものを集め始める。また、それら好きな支援者とその家族に関する情報を、当の支援者や自身の母らにお願いして書いてもらったメモ紙も保存。その膨大な集積の中から選んだ紙や収集物の一部をセロテープや輪ゴムで束ねてかたまりをつくり、大切に持っていた。この収集の営みは現在も続いている。

藤本正人 Fujimoto Masato

『Negative capability -くつろいでいられる能力-』2019より 🄫「ポコラート全国公募展vol.9」 主催:千代田区、アーツ千代田3331

愛知県出身 愛知県在住 1967-

藤本正人は、カセットテープの入ったケースに、20cmほどの長さの刺し子糸を輪ゴムで留めた、振り子のようなもの(以下、「振り子」と呼ぶ)をつまみ持ち、くるくると回る様子を眺めながら、1日を過ごしている。黙々と振り子を見つめ続ける、そんな生活を40年に渡って続けてきた。

みんなの”鑑賞” "Art Appreciation" for All

みんなの鑑賞2「しが盲ろう者友の会の人たちと考える」検討会の様子 2021

誰もがアートを楽しめるように、美術鑑賞の方法を、知的障害のある人や盲ろう者が、アーティストらと一緒に考えるプログラムです。

・みんなの“鑑賞”1
障害者支援事業所いきいき+野原健司と考える。
プロジェクトメンバー
河原﨑未識 Kawarasaki Misato、外山聖 Toyama Satoshi、野原健司 Nohara Kenji、森美菜子 Mori Minako、安田真一郎 Yasuda Shinichiro

・みんなの“鑑賞”2
しが盲ろう者友の会の人たちと考える。
プロジェクトメンバー
岡田昌也 Okada Masaya、岡本克司 Okamoto Katsushi、北川雅貴 Kitagawa Masaki、野中美智子 Nonaka Michiko、安川雄基 Yasukawa Yuki

※「みんなの“鑑賞”」は同時開催企画「ニューノーマル時代にアートで人をむすぶプロジェクト」の一環として行うものです。

同時開催企画 「ニューノーマル時代にアートで人をむすぶプロジェクト」

■いま、「障害」「地域」と、アートをとおして、対話する
「79億の他人」と同時に楽しんでいただけるアートプロジェクトです。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちのコミュニケーションは、「触れ合わない」、「対面しない」というニューノーマル(新たな常態・常識)時代に突入しています。多くの人がこの新しいコミュニケーションの形に順応する一方で、これに馴染めず、関わりを奪われてしまったと感じている人たちもいます。
このプロジェクトは、こうした時代の変化の中でも、誰もがアートに関わることができるよう目指す取り組みです。「障害とアート」「地域とアート」という2つの切り口から、人と人をむすぶ、様々な企画を実施します。
「障害とアート」では、盲ろう者や知的障害者と美術鑑賞のあり方を考える「みんなの“鑑賞”」を実施し、それぞれの障害特性や個性に応じて考え出される鑑賞方法を「79億の他人」で展示します。「地域とアート」では、近隣地域住民がゲストとなった番組を作るラジオブース風スタジオや、町の魅力に詳しい方々がガイドを務める町歩きなどを企画しています。
コロナ以降、ニューノーマル時代のコミュニケーションが、誰にとっても開かれたものであるように、アートの領域から出来ることはなにか、考え、形にしていきます。
詳しい情報は、ホームページをご確認ください。

事業主体 アール・ブリュット魅力発信事業実行委員会
助成 令和3年度 文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業

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