2017年2月18日(土)– 3月20日(月・祝)
表現するという行為は、誰のものなのでしょうか?何かを表現するということは、限られた人に許された行為ではなく、無意識のうちに誰もが行っていることです。その人にとっては切実な習慣や愛着、ささやかなこだわりが、他の人にとって “表現” として発見されることもあります。また、ひとりでにはじまる表現もあれば、誰かの存在があるからこそできあがる表現もあるのです。わたしたちは自分以外のものと関係を結びながら日々生きていますが、表現においても、それは避けられない問題です。そして世界は、必ずしも人だけでできているわけではありません。この展覧会では、人や動物、植物、機械など、性質の異なる主体の恊働によるさまざまな表現を通して、表現のはじまりやそこにある他者との関係性のかたちを改めて見つめます。
Does creative expression belong only to a select few? Creative expression is not an act limited to artists and special individuals but it is something we all do unconsciously.Sometimes, our earnest habits, emotional attachments, or trivial obsessions can become a “creative expression” when seen through the eyes of another. Moreover, some creative expressions are made spontaneously on their own while others are made possible through the presence of another person. In our daily lives we form relationships with others, and this is also inevitable when it comes to expressing ourselves creatively. And our world does not consist only of the relationships between human beings. Observing acts of expression by humans, animals, plants, and machines
working together, this exhibition explores the origin of expression and the forms of relationships involved.
会場 | ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(近江八幡市永原町上16) |
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開館時間 | 11:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般300円(250円)高大生250円(200円) ※中学生以下、障害のある方と付添者1名無料 ※()内は20名以上の団体料金 |
本展出展者とキュレーターが、本展のテーマであるさまざまな恊働のあり方について話し合います。
出演: AKI INOMATA、トーマス・リバティニー、銅金裕司(本展出展者)、田中みゆき(本展キュレーター)
進行: 安藤恵多(社会福祉法人グロー法人本部企画事業部 主任主事)
日時: 2月18日(土)14:00 –16:00
会場: 酒游舘(近江八幡市仲屋町中21)
定員: 40名/要予約/参加費:無料(別途観覧料が必要です)
生態について学び、みんなで足音を聴きながらスケッチをしよう。
講師: 佐々木有美+滝戸ドリタ(「Bug’s Beat」作家)
普段人には聴こえない虫の世界の音を聴くことができる作品「Bug’s Beat」。虫の奏でる音に耳を澄ますことで、虫や自分の大きさが普段と違って感じる感覚を体感してください。
日時: 3月4日(土)14:00 –16:00
会場: 奥村家住宅(近江八幡市永原町上8)
定員: 20名/要予約/参加費:無料(別途観覧料が必要です)
※小学校3年生以下の方は保護者の同伴が必要です。
(1983年/東京都)
ヤドカリやミノムシ、犬などの生き物や自然との一種の協働作業を行うことで、人間とそうでないもの、自然と人工など、社会におけるさまざまな境界を問いかけるプロジェクトを展開。
(1970年生まれ/埼玉県)
大好きな家族や施設の仲間たちと一緒に行った旅先や道中で撮った写真などを日々触りながら鑑賞する。一枚ずつ見るのではなく、写真の山をかき混ぜ、触り続けることにより、写真の角は取れ、丸くなっている。
(1957年生まれ/兵庫県)
海洋学からラン科植物の生理学的研究で学位を修め、その研究成果の1つからメディアアートに進出する。東京藝術大学で異質性溢れる創造的な講義を20年あまり継続しつつ、かつて愛読したナボコフやルーセルの実験的試みに回帰した矢先、福島原発の大いなる人災事故を機にして、いっそう人と世界のあり方の根源的問題を訴求する姿勢を固める。
(1984年/神奈川県)
デジタルメディアを基盤に、グラフィティやストリートアート、パブリックアートなど公共圏における表現にインスパイアされた作品を多く制作。2011年から菅野創との共同制作によるドローイングマシンシリーズを発表。
(1971年/鹿児島県)
糸を幾重にも結び小さい糸玉を作り、布に縫い付けていく行為を行っていたが、数年前からは布を細かく刻み周囲を縫ったものを中心に独自の世界を展開する。制作の時間以外でも繊維に強いこだわりがあり、下着・靴下をハサミで細かく切り、一本ずつ繊維を引き抜いて自室の机に並べたりしている。
(1981年/オランダ)
建築家と歴史家の両親のもとに生まれる。エンジニアリングとデザイン、絵画や彫刻を学んだ後、2007年にスタジオを構える。
自然とテクノロジーの関係に興味を持ち、「スロープロトタイプ」として生き物との共同製作を行う。
■掲載内容
・展覧会風景
・出展作品図版、作品解説
・「非スペクタクルへの誘い」田中みゆき
・「girl,girl,girl...によせて」AKI INOMATA
・「生命を扱うアートの痛みについて」岩崎秀雄(アーティスト/早稲田大学理工学術院教授)
・「あなたは、演出を担当したというけれど、一体何をやったんですか?」村川拓也(演出家/映像作家)
・「利用者/支援者~作者/鑑賞者 習慣/見守り~作品/研究」田端一恵(社会福祉法人グロー専門相談調整室長兼法人本部企画事業部総括)
・「書く/描く ことについて」やんツー
・「世界と溶けあう人工知能」三宅陽一郎(ゲームAI開発者)
・対話 田中みゆき×熊谷晋一郎(小児科医/東京大学先端科学技術研究センター准教授)
・「使役あるいは搾取、蕩尽」銅金裕司
・詩 五所純子(文筆家)
■価格
1,000円(税込)
■仕様
ページ数:52P(表紙含む)
サイズ:B5版 25.7×18.0cm
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