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Aug

25

アイサ 作者の権利保護に関する研修会の開催状況(次回は31日)

8月10日(水)に本スキルアップセミナーの1回目の研修会を米原で行いました。
暑い中、9名の方にご参加いただきました。
まずは、「〈著作権等保護ガイドライン〉について」滋賀県健康福祉医療福祉部障害福祉課の上野さんから講義をしていただきました。

この「著作権等保護ガイドライン」は平成24年(2012年)に滋賀県が障害のある人が作者として著作権等を保護され、安心して造形活動に取り組むことができる環境の実現をめざし、造形活動の中心となっている障害福祉サービス事業所が適切に作者を支援できるように策定されたものです。
策定された経緯や内容についてのお話をいただきました。県内の障害福祉サービス事業所での規程等の整備は少しずつ取り組まれていますが、より多くの事業所に取り組んでいただけるよう、これからも研修会等で周知していきたいと思います。

次に、「著作権や所有権の基礎を学ぶ」というテーマで法テラス滋賀法律事務所の平塚弁護士から講義をしていただきました。

所有権と著作権について5つの項目に分けてお話いただきました。難しい内容ではありますが、民法の付合・混和・加工や成年後見制度についても例を挙げてイメージしやすい言葉に言い換えて、説明いただきました。また、なぜ規程を整備する方がよいのかについても丁寧に教えていただきました。
初めて知ること、知っているように思うことでも正しく理解していないことや思い込んでいることもあるということを、改めて教えていただいたと思います。

実践報告として、規程の整備に取り組んでいる事業所の取り組みについて、社会福祉法人かすみ会かいぜ寮の中里さんにお話をいただきました。

事業所の説明や2013年から始めた権利保護への取り組み、アイサの研修会に参加したり、規程を整備するまでのいきさつや取り組んで気づいたこと、考えたこと、今後の課題についてなど、いろんな想いの中で整備に取り組んだことを聞かせていただきました。利用者の方達への想いが取り組むきっかけであり、支援者の方達の強い想いが原動力となり、時間をかけて丁寧に取り組んでおられることが伝わってきました。
利用者さんに寄り添う想いが形になるまであと少し、規程の完成まであと少し。利用者さんとご家族の方達に確認をいただくにも支援者の方達で情報を共有していくこと、誰もが伝えやすく分かりやすい言葉であることの大切さもお話されていました。
規程を整備することだけでなく、支援するということに対して、より丁寧に考えられるようになったとおっしゃっていたのが心に残りました。

「作品取扱規程をつくってみよう!」とグループワークで作品取扱規程について実際に考えていきました。


参加者みんなで取り組み、講師の先生方にお話を伺い、そして参加者のいろいろな想いを話し合うことができ、時間が足りないほどでした。
福祉事業所の施設長や支援員、作業指導員の方や特別支援学校の先生などいろんな立場の方が参加されていたので、様々な角度からのお話を聞かせていただき、本当に勉強になりました。

アンケートにご記入いただいた中から研修を受けての参加者のお声です。
○実際のガイドライン作成を行った職員の生の声や他施設の報告、意見を聞けたのは良かった。
○まず、知ることの大切さをあらためて感じました。
○所有権と著作権について、平塚弁護士に直接ご指導いただくことができ、勉強になりました。
○いろいろな情報交換ができてよかったです。
○内容が法律的な話が多く難しいものだったが、利用者さんの意向をどのようにして汲み取り、反映させることの必要性を実感した。
○障がいがあることで表現する機会が充分に得られないでいる人を見ていると、とても残念だと思います。置かれる環境が大きく影響することも痛感しています。造形活動という中で表現を広げていける空間が、ひとつでも多くできてくるといいのにと思います。

権利保護に関する研修会は8月31日(水)に草津でも開催します。
いろんなお話を聞くことや、話をすることで、見えてくることがあると思いますので、
研修会を受けてみてはいかがでしょうか。
詳細はこちら→http://no-ma.jp/old/?p=13841

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