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Nov

22

アイサ研修会「アトリエ活動と美術館からアール・ブリュットを考えよう!」を開催しました

障害者の芸術活動支援スキルアップセミナーPROGRAM.6 <活動体験2>
「アトリエ活動と美術館からアール・ブリュットを考えよう!」を開催しました

11月4日(金) 秋晴れのもと、京都府亀岡市にある障害者支援施設みずのき(社会福祉法人松花苑)を会場に、今年度6回目のアイサの研修会「アトリエ活動と美術館からアール・ブリュットを考えよう!」を開催しました。普段アート活動を仕事としている方、趣味で絵を描いている方、ボランティアとして関わったことがきっかけでアール・ブリュットに魅了された方など7名の方にご参加いただきました。

自己紹介の後、沼津施設長とみずのき美術館ディレクターである奥山さんに施設内を案内していただきました。リノベーションされた施設内は、アトリエ活動によって生み出された作品が至るところに飾られ、黄色やオレンジ色など明るい色を取り入れた壁や天窓が特徴的でした。

みずのきでは、1964年に日本画家の故・西垣籌一さんによって絵画教室が開かれました。そこで生まれた作品は、国内外から注目を浴びているものが多くあります。今回の研修では、アトリエもご紹介いただき、当時、西垣さんから絵を習っておられた方にもお会いできました。西垣さんは、厳しくありつつも優しさにあふれた指導をされる方だったことが、利用者さんとの会話を通して感じることができました。西垣さんの教えは今も引き継がれ、この日お会いした3名の男性は今も絵を描き続けておられます。アトリエに通う利用者は、それぞれ描くモチーフも描く方法や道具も様々です。活動に使用する絵具一つをとっても職員の工夫が施され、利用者が描きたいものを自由に描き、創り出せる雰囲気作りにも配慮されていました。参加者のみなさんはそれらのあらゆる工夫に興味を持たれていました。

アトリエを見学後、作品保管庫の見学をさせていただきました。これまで作品の出し入れをするには危険を伴い、室温管理も難しい状況の場所で約18000点もの作品を管理されていました。作品を大きさや種類ごとに分け、作品番号を付けスチール棚で管理してこられましたが、今、みずのきでは新しい作品保管庫を作られ、同時にみずのきで生まれた作品のアーカイブ化に取り組まれています。

昼食後、研修会場をみずのき美術館に移し、実際の展覧会を拝見した後、奥山氏からみずのきで絵画教室が始まってから現在に至るまでの経緯や、アール・ブリュットについて、今後のみずのきの活動などをお話いただきました。終了後も、参加者からの質問や意見交換がされていて、皆さんすごく刺激を受けた時間だったことが感じられました。

アンケートにご記入いただいた中から研修を終えての感想をご紹介します。
・みずのきの雰囲気や様子を知ることができ、とても楽しく勉強になりました。もっと外部によりよい形で発信できるよう模索していきたいと思います。
・歴史の中での蓄積はすごいなと思いました。
・みずのきをこんなに詳しく知れて、とても勉強になりました。画家さんが初めに関わった施設としての苦悩、現在の様子、こういう所があったんだと本当に心に深くしみました。
・造形活動が施設内で独り歩きをし、思いを共有できないような状況にならによう施設全体も巻き込んでいく何らかの取り組みが必要なんだと改めて感じた。
・自身の思い描いている施設内での造形活動とはかけ離れたお話内容だったと思うが、辿って来られたプロセスはとても参考になるものだと思う。
・施設や美術館を運営する人々、逆方向からの味方が出来たこと、大変学ばせていただきました。

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