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Jun

10

ラジオ番組「Glow生きることが光になる」6月第1週・2週「真の地域生活支援と地域での文化活動やアール・ブリュットについて」大平眞太郎さん前編・後編

今回は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室の相談支援専門官 大平眞太郎さんをゲストにお迎えします。この数年、障がいのある人々が自分の地域でより良く暮らすための様々な支援のありかたについて、議論が進んでいます。障害のあるそのひとり一人の暮らしに必要なサービスを計画することはもちろんのこと、その人に一層寄り添ったより良い支援をする為に大切なのが「相談支援」といわれるもの。大平さんは、長年、この相談支援体制を充実させ、相談支援専門員のスキルアップのための研修などを滋賀県内を中心に行ってきました。そんな大平さんは、現在は厚生労働省で相談支援専門官をして活躍されているわけですが、前職が、NO-MAを運営する社会福祉法人グローの企画事業部なんです。そこで、今日は改めて大平さんが見つめてきた、障害のある人の地域生活支援のための相談支援という事業と、障害のある方の造形活動がどのようなつながりがあるのか、じっくりうかがいました。

まずは、障害福祉分野における相談支援とはなんなのかのお話から。大まかに言うと、障害者自身が使いたいサービスを選ぶために何が必要なのかを一緒に考えたり、アドバイスをしたりとお手伝いをすることだそう。また、相談支援の成り立ちについて、障害福祉の制度の流れと併せて簡単にご紹介頂きました。
その後、大平さんのこれまで取り組んでこられたお仕事の話。もともとは、重度の障害のある方が通う通所施設の支援をしていた大平さん。言葉での意思疎通が難しいことが多い方々を前にして支援を実践されてこられたその時の経験から、相談の現場でも言葉での意思疎通のみによらないコミュニケーションを試行されてたそうです。
そもそも、なぜ福祉の仕事に就いたのかとの質問には、お姉さんが福祉の現場で働かれていたことで関心を持たれたことと、当時お付き会いされていた彼女の家の本棚にあった一冊の本に強くひかれたことがきっかけとのこと。一気に読み進めたその本の名は、糸賀一雄著「福祉の思想」。実践の中から制度がつくられていく。そのリアリティが伝わるその本の内容に魅了された大平さんいわく「今の福祉からみてもまだまだ新しさがある」とのこと。福祉の制度を創っていくことに関心を抱いていた大平さんは、そのことを研究すために大学院に進みます。

<後半>
後半は、アール・ブリュットや障害者の芸術活動の話にうつります。
以前は、芸術や表現活動の前に食事や入浴等、日々の生活が整うことが大切だと考えていた大平さん。グローに勤めるようになり、人が生きていくうえでは、衣食住に加えて文化的な楽しみや生きがいを得ることが横ならびに、同時に進むことが大切なのだと感じられたそう。
また、個々の相談支援についての取組そのものも『対話の中での共同作業』だと大平さん。何が大切か、どのようなサービスに繋げていくか、全てチームや本人を交えた対話を通じた共同作業だとおっしゃっていました。また、対話での共同作業を、より磨き上げていくためには、相談者その人の状態を良く知ることが大切、そこから優しさが生まれると太平さん。表現行為に眼差しを向ける芸術活動ともつながる部分があるような気がしました。

ところで、大平さんに気付きを与えた本の持ち主とは、その後どーなったのでしょうか?
ラジオをぜひお聞きください。

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