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Dec

24

「“ing”っぽい創作ワークショップ」レポート(2)

カテゴリー: ブログ, 未分類 |

「発砲スチロール球で作品づくり」(前期出展作品より)
12.5cmの発泡スチロール球は、両手の平で包んでも大きいくらい。その球に四角く切った折り紙や広告をでんぷん糊で貼り付けていきます。折り紙や広告をちぎり、好きな形に貼ることも。
まんべんなく貼り付ける方、作者の細川啓太さんのように同じところに何層にも貼り重ねる方、色にこだわる方など、人それぞれの作品に。

細川さんが作られた出展作品は20cmの球ですが、施設職員の方が12.5cmの球で挑戦してもこのワークショップの時間内は、同じような貼り重ねまではたどり着けなかったそうです。
改めて作者の創作を体験することで、この作品の魅力を感じられたようでした。

またこの日は、参加施設でもあるアトリエひこうきぐもを主宰されている塚本智映さんと本展アドバイザーの美術家・野原健司さんによる創作ワークショップも開催されました。

「透明クレヨンで絵を描こう」(前期出展作品より)アトリエひこうきぐも
イーゼル付きのミニキャンバスに透明クレヨンを使って自由に絵を描くことができます。そもそも透明クレヨンってどんな色に塗れるのでしょう。見知ったはずのクレヨンが新しい画材となって目の前に現れました。
実際の見た目は、色が付いたクリアなビーズのよう。キャンバスにするすると色が乗り、発色の良さとのびの良さで、作者の谷口祐音さんからは、指で色を伸ばすことができることを紹介していただきました。
普段はその時の感覚で描いてテーマやタイトルを付けないそうですが、この日彼が描いた作品の中には「人間(ヒューマン)」というタイトルの絵が。彼にとって、創作の場で作品や人と出会い、新たな体験を経て生み出された作品なのかもしれません。

「シミシミ☆シールの絵を作ろう」
大きなロール状のシールを好きな形に切り、時には色の上から、時には上に色を重ね、シールをめくった後にシールの形が画用紙の上に浮きあがる”シールの絵”を作りました。
子どもたちはそれぞれ自分のテーマをもって色を重ねたり、形を貼り付けたりしていました。施設の職員さんも参加され、これは利用者さんへとかわいい作品を作ってみたり。新たな造形活動にも何か活かせないかと野原さんからヒントをもらっている場面も。


なお、この日の会場装飾は、野原さんによるもので、各ワークショップの頭上を彩りました。6つのワークショップを同時開催しましたが、参加者の方は複数のワークショップに参加され、あっちにあるドライヤーを使えば糊が早く乾く、あっちの絵の具を借りれば、ここに色を塗れるなど会場内で創意工夫に満ちた空気ができあがりました。それは、この装飾が会場に一体感を与えてくれたからかもしれません。


付添いで来られた作者のご家族、職員の方、子どもたちを含め一般の参加者、そして作者自身が自分の日常や創作活動、立場を越えて、新しい体験や人と場に出会うことで、その時その時で生まれる偶発的なものから”何か”を拾うことができるかもしれない。それが現在進行形である“ing”っぽさなのかもしれません。

展覧会は、12月28日まで前期展示、年明け1月11日からは後期展示になります。前期後期で同じ作品ではありません。それぞれお越しいただき、“何か”を感じていただける場や機会になることを願います。
(担当:高山円)

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