Sep 15 |
KBS京都ラジオ Glow~生きることが光になる~ 第207、208回 小林瑞恵さん、渡邉芳樹さん |
毎週金曜日の21:30~21:55にお送りしているラジオ番組「Glow~生きることが光になる」。
今回は、社会福祉法人愛成会の副理事長・アートディレクターの小林瑞恵さん、そして、前・スウェーデン特命全権大使で、現在は日本赤十字常任理事および糸賀一雄記念財団理事、愛成会アール・ブリュット担当顧問の渡邉芳樹さんをゲストに、2週にわたってお話しいただきました。
小林瑞恵さんは、これまでに数多くのアール・ブリュット展を国内外で企画されており、東京都芸術文化評議会のアール・ブリュット検討部会の委員も務められています。現在は、国内での事業のほか、今年10月にフランスで、来年5月にはスウェーデンで開催する日本のアール・ブリュット展の準備を進められています。
渡邉芳樹さんは、スウェーデンで在任中にみたMomoko Takamatsuさんの作品がアール・ブリュットとの出会いとなり、昨年はヨーロッパでアール・ブリュットの偉大なコレクションをもつ美術館や展示場、アール・ブリュット専門書を発行する出版社などを訪問して関係者と意見交換され、帰国後はアール・ブリュットに関する講演や寄稿などに精力的に取り組まれています。
今夜、放送する第207回の前編では、お二人のアール・ブリュットとの出会いや欧州のアール・ブリュット視察のこと、そして10月21日から開催する「2017ジャパン×ナントプロジェクト(文化庁委託事業)」についてお話しを伺いました。
このプロジェクトは、世界的な芸術文化創造都市として有名なフランス・ナント市で、日本のアール・ブリュット展の開催、和太鼓や神楽、演劇、ダンスの公演、障害のある方の日々の暮らしを収めたドキュメンタリー映画の上映、医療、福祉、美術など関係者によるシンポジウムが開催されます。
展覧会のキュレーションをする小林瑞恵さんとシンポジウムに登壇する渡邉芳樹さんに、ナントでこのプロジェクトが開催される意義などをたっぷりお話しいただきました。
来週22日(金)に放送予定の第208回・後編では、アール・ブリュットだからこそできる新たな国際交流、国を超えた福祉観などについてお話しいただきました。
小林瑞恵さんは海外の美術関係者が日本のアール・ブリュットにをみて驚くことや関心を抱くポイントとして、新しい作者がどんどん登場していることや、そのクオリティや素材や技法の多様性、そして作者が今もご健在であるとお話しされていました。今回のKOMOREBI展でも、フランスや世界の人が驚く作品を紹介できることでしょう。
渡邉芳樹さんは、日本のアール・ブリュット作品の発信において、福祉的な背景についてお話しされています。欧州での視察時、ある美術館の館長から、芸術、行政が一緒になって推進しようとしている今の日本の動きは、日本モデルとしてヨーロッパに持ってきたいと話されていたそうです。日本ならではの特徴として、福祉や医療、中央省庁などが、重層的かつ強靱な構造で動いているような国はヨーロッパにもないといいます。日本でこのような取り組みになっているのは、そこにそれぞれの分野の人達が、新しい福祉モデルの示唆を感じているのではないかというお話しは、とても興味深いものでした。
最後には、来年5月に開催されるスウェーデンのアール・ブリュット展についても話が及んでいました。
それでは、ぜひ今夜の放送をお聴きください。
KBS京都で21:30~放送です。
放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)