アール・ブリュットとは
アール・ブリュットとは
アール・ブリュットとは、既存の美術や文化潮流とは無縁の文脈によって制作された芸術作品の意味で、 英語ではアウトサイダー・アートと称されている。加工されていない生(き)の芸術、伝統や流行、教育などに左右されず自身の内側から湧きあがる衝動のままに表現した芸術である。フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet 1901-1985)によって考案されたことばである。
アール・ブリュット・コレクション(Collection de l’Art Brut)とは
「芸術はわれわれが用意した寝床に身を横たえに来たりはしない。芸術は、その名を口にしたとたん逃げ去ってしまうもので、匿名であることを好む。芸術の最良の瞬間は、その名を忘れたときである。」芸術家ジャン・デュビュッフェの言葉は、アール・ブリュットの概念を総括する根幹としてとらえることができる。アール・ブリュットの作者たちは、あらゆる文化的な操作や社会的な適応主義から自由なのだ。彼らは精神病院の患者、孤独に生きる者、社会不適応者、受刑者、あらゆる種類のアウトサイダーたちなのである。
これらの人々は、沈黙と秘密そして孤独の中、独学で創造活動を行っている。いっさいの伝統に無知であることが、彼らをして創造性にあふれ、破壊的な作品制作を可能にしているのだ。ジャン・デュビュッフェいわく、「われわれが目の当たりにするのは、作者の衝動のみにつきうごかされ、まったく純粋で生の作者によって、あらゆる局面の全体において新たな価値を見いだされた芸術活動なのだ」。ジャン・デュビュッフェはアール・ブリュットという概念の提唱者であるのみならず、アール・ブリュット・コレクションの創始者でもある。1971年、デュビュッフェは、当時すでに5,000点を超えていたコレクションをローザンヌ市に寄贈したのである。これをうけ、世界にも例をみないユニークな収蔵館が1976年、18世紀の貴族の邸宅「ボーリュウ館」を改修して誕生した。
現在、収蔵作品は3.5万点におよび世界中から年間約45000人の観覧者が訪れている。
アール・ブリュット・コレクション
出展者:
石野光輝 / 喜舎場盛也
小幡正雄 / 澤田真一/
戸來貴規 / 辻勇二 /
富塚純光 / 西川智之
本岡秀則 / 舛次崇
宮間英次郎 / 吉川敏明
アール・ブリュット・コレクション
(スイス ローザンヌ)