経緯
企画展の開催に至った流れ
今回の連携企画は、当ミュージアムの関係者が日本のアウトサイダーアート作品の資料を携えて、アール・ブリュット・コレクションを訪問したことにより始まりました。館長リュシエンヌ・ペリー氏は日本の作品に大変高い関心をもち、ぜひ自分の目で見て調査や展覧会の企画をしたいと2006年11月中旬、日本側の招待により12日間来日滞在されました。当ミュージアムが日本全国で発掘してきた厳選作品を中心に、数カ所の制作現場をご案内し、また各地から我々のもとに送っていただいた作品など、全部で約300点近い作品を観ていただいたのです。そして予想以上の驚きと感銘を受けられた館長は「アール・ブリュットがその全容については未知だった国」に多大な期待と関心を寄せ、連携展の企画構想が始まりました。
今回の相互連携事業により、近年日本でも注目を集め始めたアウトサイダーアートへの評価を、社会一般に広く認識していただき、その表現者に対して新しい評価軸を確立してゆく事は、より広い視野で「芸術」すなわち人の表現の魅力を直裁に伝える意義ある文化事業でもあると、私たちは考えたのです。スイスのアール・ブリュット・コレクション側と何回にも及ぶ協議を重ねていった結果、双方の作品をコラボレーションさせるという前例の無い企画展の開催に至りました。
また、ほぼ同時期(2008年2月22日〜9月28日)には「Japon」展がアール・ブリュットコレクションで開催され、その内10人の日本の作家たちの作品が収蔵されることになりました。http://www.artbrut.ch/ のMediaページから Dossier de presseの「Japon」展をご覧下さい。
この事業は3カ年に渡る継続した連携事業として歩んできました。
連 携 事 業 (2006年〜2008年)
2006年 | ●リュシエンヌ・ペリー館長を招き、シンポジウム・記念対談・記念フォーラムの開催(滋賀県・沖縄県)
●リュシエンヌ・ペリー館長を招き各地でワークショップの開催(滋賀県・沖縄県・兵庫県)
●日本全国の障害者施設等における造形活動の調査・研究 |
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2007年 | ●展覧会 「アール・ブリュット/交差する魂〜ローザンヌ アール・ブリュット・コレクションと日本のアウトサイダー・アート〜 」開催準備 |
2008年 |
●スイス・日本にて展覧会を同時開催
日本で 2008年 1月16日〜 7月20日
●「アール・ブリュット/交差する魂 ローザンヌ アール・ブリュット・コレクションと日本のアウトサイダー・アート」の開催
展覧会場および展覧会期
1月16日〜2月17日 北海道立旭川美術館 (北海道 旭川)2月28日〜5月11日 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA+旧吉田邸(滋賀県 近江八幡) 5月24日〜7月20日 松下電工汐留ミュージアム(東京都 新橋) スイス・ローザンヌ 2008年 2月22日〜9月28日
●アールブリュット・コレクションによる企画展「JAPON」展の開催
●日本の作家とアール・ブリュット・コレクション関係者との交流(「JAPON」展オープニングイベントへの参加)
●アール・ブリュット・コレクションへの視察事業 |