現在、NO-MAで開催中の展覧会「鳥の目から世界を見る」展の関連イベント、山口晃さんの講演会の収録をお送りします。山口さんは、本展の出展者であり、5月まで開催された個展「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)では、テレビ番組でも特集されるなど、多くの方が山口さんワールドに引き込まれ、魅了されました。
今展は、「俯瞰図」「鳥瞰図」をテーマにしています。山口さんは、時空が混在し、古今東西の様々な事象や風俗が描き込まれた都市鳥瞰図・合戦図などを描かれています。本展で展示している作品《百貨店圖 日本橋三越》は、デパートの中にどんな人たちがいて、何をしているのかがつぶさに …
ラジオ番組「Glow生きることが光になる」6月のゲスト保坂健二朗さん「アール・ブリュットはどこへ向かう? その魅力と可能性について」後編
先週に引き続き、東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんにお話しを伺いました。
保坂健二朗さん
保坂さんとNO-MAとの関わりは先週のお話しにもあったように、2006年の「快走老人録」のレビューを美術雑誌編集者から依頼されたことに始まります。後編まずは、この展覧会のテーマにもなっていた、老いることとアール・ブリュットないしは表現すること、ということへの関心についてお聞きしました。
保坂さんが専門とされている中にフランシス・ベーコンがい …
東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんをゲストにお迎えします。保坂さんはこれまで、近現代芸術を専門とする一方でアール・ブリュッ卜も研究テーマの一つとし、アール・ブリュットにまつわる展覧会の企画や監修、執筆、各種委員会のアドバイザーなどを務めて来られました。ボーダレス・アートミュージアムNO-MAとも親交が深い保坂さんに、これからのアール・ブリュットの広がりに期待すること等を率直に伺いました。
保坂健二朗さん(左) アサダパーソナリティ(右)
まずは、「近現代美術が専門」ということはどういうことなのかという率直な質問からスタート。保坂さんは美術にそんなに詳しくない、触れた …
今週は、現在NO-MAで開催中の展覧会「鳥の目から世界を見る」の現地からのリポートです。
展覧会の企画者、はたよしこNO-MAアートディレクターから、どんな展覧会で、どんな作者さんが出展しているかをお話しいただきました。
左 はたよしこディレクター
展覧会のタイトルからわかるように、今回は鳥瞰図的な作品を集めた展覧会。全国のアール・ブリュットの作者と出会ってきたはたさんは、俯瞰した位置からの作品を描く作者が少なくないことに気づき、いつかそれらを集めた展覧会をしたいと企画を温めていたそうです。
今回は6人の作品が出展されていますが、そのうち3人の作者について、作品の特徴や …
5月15日、22日の2週にわたり、社会福祉法人愛成会 アートディレクター、特定非営利活動法人はれたりくもったり アートディレクターの小林瑞恵さんをゲストにお迎えしました。小林さんは、これまで、障害のあるなしに関わらず、美術教育を受けずにあるがままの表現を追求する「アール・ブリュット」の作品紹介に、数多く関わってこられました。社会福祉法人に所属する「アートディレクター」という肩書きは、一見、「福祉の世界でどんなことをやっているの?」って不思議に思われる方も多いと思います。今回は、多数のアール・ブリュットの展覧会の企画に関わってこられ、海外との連携も深めてきた小林さんならではの、アール・ブリュット …
先週に引き続きゲストは、映画作家、プロデューサーの代島治彦さんです。10年間アール・ブリュットの作者を撮り続けてきた代島さん。撮り始めた当初とスタンスが変化してきているということを後編ではお聞きしました。
代島治彦さん(不思議なポーズで写真に収まってくださいました)
先週紹介した、DVD『日本のアウトサイダーアート』全10巻は前半5巻と後半5巻の2回に分けて発売されましたが、後半5巻が発売されたのが2009年。今回発表された『アール・ブリュットが生まれるところ』はそこから5年ほど経過した後に撮影されたものですが、この間に、日本の中の美術界における位置づけが変わって来たと感じてい …
5月最初のゲストは、映画作家、プロデューサーの代島治彦さんです。代島さんは、数々のテレビ番組やドキュメンタリー映画の監督・プロデュースで知られています。2006年からは国内のアール・ブリュットの作者33人の記録映像を録り続け全10巻のDVD『日本のアウトサイダーアート1~10』を発表、2014年には記録映像『アール・ブリュットが生まれるところ』を発表されています。そんな代島さんに、アール・ブリュットの作者の映像を記録し続ける動機、アール・ブリュットの魅力について語っていただきます。
)
代島治彦さん(左) アサダパーソナリティ(右)
最近、故大津幸四郎さんと共に監督を務められたド …
4月17日、24日と2週にわたってゲストにお迎えするのは、京都橘大学の小暮宣雄教授です。小暮さんは、芸術と社会の出会いをアレンジすることを意味するアーツマネジメントの研究をされ、芸術が地域社会に果たし得る役割などについて様々な提案をされてきました。また、NO-MAの活動を開館初期から支えてくださり、地域交流プログラムの企画にも携わってこられた視点から、地域社会の中でこれからアール・ブリュットがどのような可能性を発揮できるかお話を伺いました。
前編(4月17日)
小暮宣雄さん(左) アサダパーソナリティ(右)
小暮さんは、旧自治省で地域政策を中心に仕事をされていました。いわゆる …
ラジオ番組「Glow 生きることが光になる」がスタートしてちょうど一年。今年度の第一弾は、スタジオから、ボーダレスアートミュージアムNO-MAの藁戸さゆみ学芸員と横井悠学芸員のトークをお届けします。
前編では、NO-MAで働くまでの経緯や、二人が携わった展覧会について話していただきました。後編では、NO-MAならではのユニークな働き方やNO-MAの地域との関わり方、これから挑戦してみたいことなどについて話します。
一般的な美術館とは違い、NO-MAは社会福祉法人が運営しています。横井学芸員は、学芸員の仕事以外に、障害のある方が共同で生活をするグループホームでの支援もしています。「展 …
ラジオ番組「Glow 生きることが光になる」がスタートして丁度一年。今年度第一回目はスタジオから、ボーダレスアートミュージアムNO-MAから藁戸さゆみ学芸員と横井悠学芸員のトークをお届けします。
二人は、社会福祉法人グロー法人本部企画事業部文化芸術推進課に勤務しながら、NO-MAで開催される展覧会の企画運営に携わっています。健常と障害、日常と非日常というボーダーを問い直し、様々な企画展を創りあげてきた二人ならではの関心や苦労、またアール・ブリュットならではの具体的な展示の工夫など、様々な話を前編と後編に渡って放送します。
藁戸学芸員(左奥)と横井学芸員(右)
藁戸学芸員は …