現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その3 作者紹介「岡部亮佑」
“複雑な発想の経路を味わう”
NO-MA1階中央には、黒い壁を5か所設置しています。展示しているのは、非常にミステリアスな岡部亮佑さんの作品。
中でも、本展のチラシなどのメインビジュアルにもなっている、赤い服をまとった女性はミステリアスでありながらも、魅力的な存在です。この女性は、岡部さんの絵の中に、時には立ち姿で、また時には座り姿 …
現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その2 作者紹介「齋藤勝利」
“ヴィデオメモリー”
NO-MA一階の前庭側に展示しているのは、山形県の齋藤勝利さんの作品です。
齋藤さんは生まれつき耳が聴こえず、聾学校に通っていました。遠足などでバスに乗った時、風景がよく見える席は、彼の特等席となっていたそうです。そこで彼は窓から目の当たりにした風景をスケッチブックに描いてきました。連なる山々や、走る路面、行きかう自 …
現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その1「忘れようとしても思い出せない」というタイトルについて
本展タイトルの「忘れようとしても思い出せない」という言葉は、もともと夫婦漫才師「唄子・啓助」の鳳啓助のジョークの1つでした。赤塚不二夫もこれを気に入り、バカボンのパパのギャグとして用いています。
この言葉をはじめて知ったとき、不思議と切ない気持ちになりました。なにかとても大切なものがあるのだけれど、それにはもう手が …