先週に引き続きゲストは、僧侶で宗教学者の釈徹宗(しゃくてっしゅう)さんです。
釈徹宗さん(左) アサダパーソナリティー(右)
今週は、NO-MAで開催中の「快走老人録Ⅱ」から老いるということと表現ということについて、お話が展開しました。
釈さんの中の「老いる」というイメージとして、死へ向けて枯れていくことがあり、「表現の過剰さ」ということはイメージとは違ったが、この展覧会を知って「アートだったか!」という気づきがあったとのこと。
そこから話は、「ホモサピエンスとネアンデルタール人が一時期共在しており、その時期に発生したのがアートやダンスである」と大きく転換。6万年前 …
10月のゲストは、僧侶で宗教学者の釈徹宗(しゃくてっしゅう)さんです。釈さんは如来寺の住職であり、相愛大学人文学部の教授です。またNPO法人リライフの代表も務めておられ、認知症高齢者のグループホーム「むつみ庵」も運営されています。
釈徹宗さん
グループホームむつみ庵は如来寺の近くにあり、植木屋を営まれていた檀家さんのお宅だったところだそうです。むつみ庵の特徴は大きく3つ。
①古民家改修型
②お寺の檀家制度フル活用
③不合理なものを大事にする
古民家ということで指定基準に合いにくいところがあり、たくさんの行政指導も入ったそうですが、「家に住む」ということを考える必 …
今週は、10月13日(月)に発売される音楽CD「ほほえむちから」のレコーディングの様子をお届けします。
谷川俊太郎さん作詞、小室等さん作曲「ほほえむちから」は、日本の障害福祉の父と言われ、この番組でも度々紹介をしてきた糸賀一雄さんの生誕100年を記念して特別に作られた曲です。
栗東芸術文化会館さきら(滋賀県)で行なわれたレコーディングには小室等さんをはじめとするプロのアーティストのほか、子どもたちのオーケストラや滋賀県民を中心とした有志による大合唱隊等、さまざまな立場の人が参加しました。
前奏から綺麗な音色を響かせてくれている「さきらジュニアオーケストラ」の塚本ひらきさん(チェロ …
NO-MA開館10周年特別企画展「快走老人録Ⅱ-老ヒテマスマス過激ニナル-」の出展者のお一人、小西節雄さん(67歳・滋賀県東近江市在住)。本物の人間と思い、つい声をかけてしまうほどの「人感」を持ったカカシを次々と作っている小西さんの制作現場とカカシの居場所、畑を訪ねました。
小西さんの畑。定年退職後に始まったカカシ制作。最初は3~4体だったそうですが、取材に訪れたこの日は25体のカカシが畑のあちこちに。この写真の中には小西さんもいらっしゃいます。
快走老人録Ⅱを宣伝してくれているカカシもいました。
カカシ作りには、時事ネタやたまたま見聞きしたことに着想を得ているそ …
NO-MA開館10周年特別企画展「快走老人録Ⅱ-老ヒテマスマス過激ニナル-」の出展者のお一人、白井貞夫さん(82歳・滋賀県近江八幡市在住)。今回は箸袋やタバコのパッケージなど、日常品を何でも集めているコレクター白井さんのご自宅を訪ねました。
白井貞夫さん
取材に訪れた時、コレクションを収納したり、作業をしたりする「趣味の部屋」にいらっしゃいました。蔵を改造したお部屋で、屋根が二重、30cmの土壁ということで、暑かったこの日も快適な空間でした。
NO-MAに出展しているコレクションの一つ、箸袋。今回の展示では、来館者に気に入った箸袋を持ち帰ってもらうコーナーも設置されていま …
静岡県沼津市にある老人デーサービス「すまいるほーむ」。先週までのゲスト、六車由実さんが管理者を務めるこの事業所の納涼祭にも、「聞き書き」が活かされています。
思い出の味づくり―
「聞き書き」の中で話される、利用者さんお一人お一人の思い出の味。「すまいるほーむ」納涼祭では、その思い出の味を再現し、みなさんで味わうということをされていました。
今回の思い出の味は、実は昨年の思い出の味と同じメニュー「石井さんの餃子」。石井さんは、現在「すまいるほーむ」をご利用されていませんが、昨年のこの餃子がとても美味しかったということで、他の利用者さんから、今年も「石井さんの餃子」にしようという声が上が …
先週に引き続き、民族研究者であり、デイサービス「すまいるほーむ」管理者・生活相談員の六車由実(むぐるまゆみ)さんにお話を伺いました。
六車由実さんとアサダパーソナリティー
ご本人が話さなければ出てこない記憶、それを引き出す「聞き書き」。引き出された記憶に反応し驚いたりすることは、忙しい介護現場の中では、あえてされてこなかったことであり、認知症の人の発言はあまり意味を持たないという認識も多い中、六車さんは驚き、書き留め、発言の奥にある意味を探って来られました。介護現場でも、その日提供したサービスやご本人の様子を記録されてはいるが、「記録はあくまで記録」と六車さん。「聞き書き」はあ …
9月のゲストは、民族研究者で介護福祉士の六車由実(むぐるまゆみ)さんです。六車さんは大学教員の仕事を経験したのち、高齢者介護の現場でスタッフとして働くという異色の経歴の持ち主です。民族研究者として培った「聞き書き」を介護の現場で実践しておられ、「介護民俗学」とも言える取り組みを提唱されています。
六車由実さん
高齢者介護の現場で働くようになったきっかけは、意外なことでした。
現在のデイサービスの前にも、特別養護老人ホームにもお勤めでしたが、そこでも「聞き書き」による「思い出の記」を編纂されていました。「聞き書き」はいわばクセのようなものと六車さん。利用者の方々が語る、面白い話 …
NO-MA開館10周年特別企画展「快走老人録Ⅱ-老ヒテマスマス過激ニナル-」の出展作家のお一人、現代美術家の折元立身さん。今回出展している「アートママ」シリーズについて、そして「アートママ」である母、男代(おだい)さんについて、お話しいただきました。
リポートを収録したのは、展覧会オープンの前日。折元さんは翌日のオープニングイベントでのパフォーマンスに備えて、パン人間の下準備をされていました。写真はパン人間になるための道具(?)のパン。
あいにくオープニングは台風の影響で中止となりましたが、こんな念入りな準備が前日になされていました。
折元立身さん
事前の打ち合わせ …
現在開催中のNO-MA開館10周年特別企画展「快走老人録Ⅱ-老ヒテマスマス過激ニナル-」。
2006年に第1弾を開催し、好評を得た同展。NO-MA10周年を迎えた2014年は高齢化がさらに進み、認知症、孤独死など多くの社会問題に誰もが向き合う時代になっています。
この「老い」について、NO-MAは10年間続けてきた「ボーダレス・アート」という展示手法と「アール・ブリュット」を通して見つめ直そうとしています。
今回の現地リポートは、同展を企画した、はたよしこアートディレクターに作品解説と展覧会の見どころを教えてもらいます。
1階の展示室。福田増男さん(滋賀県)の、親しみやすいイラ …