「鳥の目から世界を見る」展の楽しみ方――吉田初三郎――
現在開催中の「鳥の目から世界を見る」展ですが、テーマはずばり「鳥瞰図」です。
「鳥瞰図」、別名では「鳥目絵」。まさに、「鳥の目から世界を見た」ような、遥か上空の視点から世界を描いた絵のことです。
本展で展示している作家の一人、吉田初三郎は、日本の「鳥瞰図」の代表的な絵師として知られています。
初三郎は、大正から昭和にかけて活躍し、日本各地の観光パンフレットの挿絵などを描きました。
吉田初三郎の絵は当時の人々の鉄道旅行のガイドブックやお土産としても大変好まれたようです。そんな彼の作品ですが、細かいところを注意深く …
昨年度、厚生労働省の補助事業として、「障害者の芸術活動支援モデル事業」を全国5ヵ所の団体が実施しました。この事業は、芸術活動に取り組む(あるいは取り組みたい)障害のある人や、それを支える家族・支援者をサポートする事業をモデル的に実施し、その成果を普及していくことを目的として昨年度に始まりました。
主な事業は、
1.障害者芸術活動支援センターの設置
2.協力委員会の設置
3.調査・発掘、評価・発信
4.モデル事業連携事務局
です。 ※3、4は任意事業
詳細は、こちらのホームページからご確認いただけます。
(社福)グローでは、全国5ヵ所を取りまとめる連携事務局として1~ …
5月15日、22日の2週にわたり、社会福祉法人愛成会 アートディレクター、特定非営利活動法人はれたりくもったり アートディレクターの小林瑞恵さんをゲストにお迎えしました。小林さんは、これまで、障害のあるなしに関わらず、美術教育を受けずにあるがままの表現を追求する「アール・ブリュット」の作品紹介に、数多く関わってこられました。社会福祉法人に所属する「アートディレクター」という肩書きは、一見、「福祉の世界でどんなことをやっているの?」って不思議に思われる方も多いと思います。今回は、多数のアール・ブリュットの展覧会の企画に関わってこられ、海外との連携も深めてきた小林さんならではの、アール・ブリュット …
先週に引き続きゲストは、映画作家、プロデューサーの代島治彦さんです。10年間アール・ブリュットの作者を撮り続けてきた代島さん。撮り始めた当初とスタンスが変化してきているということを後編ではお聞きしました。
代島治彦さん(不思議なポーズで写真に収まってくださいました)
先週紹介した、DVD『日本のアウトサイダーアート』全10巻は前半5巻と後半5巻の2回に分けて発売されましたが、後半5巻が発売されたのが2009年。今回発表された『アール・ブリュットが生まれるところ』はそこから5年ほど経過した後に撮影されたものですが、この間に、日本の中の美術界における位置づけが変わって来たと感じてい …
大型連休に入り、4月29日(水・祝)から開催されています「鳥の目から見る世界」展には多くのお客様にご来場いただいております。
今回は鳥の目から見る世界展の少し変わった鑑賞方法をご紹介します。
NO-MAの会場では写真の虫メガネを皆さんにご案内しています。
今展の作品はとても細かく描き込まれていることもありますが、見る人が空を飛ぶ鳥の目から見たかのような視点を感じる作品が多く展示されています。
中でも大正―昭和にかけて活躍された吉田初三郎さんの作品は細部まで緻密に描かれていることもあり、展示ケースぎりぎりまで近づいて鑑賞されている方もちらほらとお見かけします。
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5月最初のゲストは、映画作家、プロデューサーの代島治彦さんです。代島さんは、数々のテレビ番組やドキュメンタリー映画の監督・プロデュースで知られています。2006年からは国内のアール・ブリュットの作者33人の記録映像を録り続け全10巻のDVD『日本のアウトサイダーアート1~10』を発表、2014年には記録映像『アール・ブリュットが生まれるところ』を発表されています。そんな代島さんに、アール・ブリュットの作者の映像を記録し続ける動機、アール・ブリュットの魅力について語っていただきます。
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代島治彦さん(左) アサダパーソナリティ(右)
最近、故大津幸四郎さんと共に監督を務められたド …
企画展「鳥の目から世界を見る」スタートしました。
好天に恵まれ、オープニングイベントにはたくさんの来場者がありました。その様子をご紹介します。
本展アートディレクターのはたよしこさんがナビゲーターとなり、作品と作家を紹介しました。
NO-MA入ってすぐに展示しているのは、山田美智子さんの作品です。ご本人と所属するやまなみ工房職員の牧原さんも来場され、作品について丁寧にお話しされました。
続いて「大正の広重」と言われた吉田初三郎氏の作品です。観光案内図などのパンフレットの展示がほとんどのため、作品点数が多く、見応えがありますよ。
白石裕則さんの作品 …
明日よりスタートします企画展「鳥の目から世界を見る」。
展示のようすをレポートします。
《展覧会の詳細はこちら》
こちらは吉田初三郎氏の作品の展示をしています。出展するパンフレットはどれも印刷が美しく、見応えがあります。近畿圏のパンフレットが多く、皆さん身近に感じられるのではないでしょうか。スタッフの背後の額は彦根城を中心とした鳥瞰図が展示されます。
こちらは香川定之さんの作品展示しています。紙を埋め尽くすように描きこまれた作品を慎重にパネルに展示していきます。
今回は描きこまれた作品をじっくりと鑑賞するような作品がほとんどです。時間に余裕をもってお出かけください …
4月17日、24日と2週にわたってゲストにお迎えするのは、京都橘大学の小暮宣雄教授です。小暮さんは、芸術と社会の出会いをアレンジすることを意味するアーツマネジメントの研究をされ、芸術が地域社会に果たし得る役割などについて様々な提案をされてきました。また、NO-MAの活動を開館初期から支えてくださり、地域交流プログラムの企画にも携わってこられた視点から、地域社会の中でこれからアール・ブリュットがどのような可能性を発揮できるかお話を伺いました。
前編(4月17日)
小暮宣雄さん(左) アサダパーソナリティ(右)
小暮さんは、旧自治省で地域政策を中心に仕事をされていました。いわゆる …
企画展「鳥の目から世界を見る」出展作家と作品をご紹介します。
山田美智子《6人の巨人と仲間》2014年 767×1087mm
画用紙、マーカー
山田美智子 Yamada Michiko(1977‐ 滋賀県在住)
普段は図案を元にした刺繍や織りを活動の中心に据え、喫茶のスタッフとしても働いています。作品はいたってシンプルで、無駄がありません。最初に、人物の写真からモチーフを選び、慎重に鉛筆で下書きをしています。人物と余白のコントラストは存在感が強く、見る者を立ち止まらせ語りかける作品です。
吉田初三郎《叡山頂上一目八方鳥瞰図》
1926年 520×380mm
パ …