ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

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ブログ

Aug

10

魲万里絵展関連パフォーマンスイベント「呼吸する風景」レポート

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去る8月7日(日)、開催中の展覧会「魲万里絵 遠くて近い私の風景」展の関連イベントとして、パフォーマンス「呼吸する風景」を行いました。
このイベントは、魲万里絵さんの作品を展示した会場を舞台に、2つのパフォーマンスをお届けするものです。
会場では、ダンサーによる身体表現と魲による絵が呼応し合い、一体的な空間をつくりだしました。

パフォーマンスは一部と二部で構成しました。一部では、振付師でダンサーの高木貴久恵さんに出演いただきました。下の写真のように、出演者とお客さんとの距離の近さがこのイベントの特徴です。間近でみるダンサーの身体表現は、ものすごい迫力です。


パフォーマンスⅠ …

Aug

10

コラム「魲万里絵 遠くて近い私の風景」その2

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そして、そこでは肉体が風景になっている。ハンス・ベルメールのドローイングにおいては、肉体が縛られつつ、ねじられつつ、ひとつのオブジェとしてスケールを守っていた。余白の中で、あるいは森の中で、周囲との関係を持たずに孤立性を保っていた。けれども、魲の作品では、肉体が巨大化し、あるいは増幅し、世界を覆っている。その形は、周囲の物の形との相関関係において、決定されており、絵全体が、いわば風景化している。

この文章は、東京現代美術館主任研究員の保坂健次朗氏によるもので、NO-MAで販売している作品集『日本のアール・ブリュット“魲万里絵”』に掲載されています。この後も、同氏の小論文では、魲万里絵さん …

Aug

05

ラジオ番組「Glow生きることが光になる」8月第1週「細馬宏通さんと考える‘介護するからだ’に宿る創意」後編

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今週も滋賀県立大学人間文化学部教授の細馬宏通さんをゲストにお招きし、お話しをうかがいました。

細馬さんの著書『介護するからだ』(医学書院)を読んでいると、介護現場やアール・ブリュット、音楽が生まれる場が地続きのように並列で書かれていることに気づきます。細馬さんの中では芸術作品をみることと、介護現場でみることがどうつながっていったのでしょうか。細馬さんの見方や興味の向き方は次のようなものだそうです。
「アール・ブリュットを語る時に、今までみんな作品で語ってきた。出来上がったものが素晴らしいと。しかし、そこだけ見ているといつまで経ってもすごい才能を持った人が、孤独に耐えながら閉じこもって、 …

Jul

29

ラジオ番組「Glow生きることが光になる」7月第5週「細馬宏通さんと考える‘介護するからだ’に宿る創意」中編

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今週も滋賀県立大学人間文化学部教授の細馬宏通さんをゲストにお招きします。介護現場での、利用者の行動や身体動作が、介護スタッフ等周囲の人との関わり合いから引き出されていることが紐解かれている『介護するからだ』(医学書院)ですが、障害のある人たちと共同で行う即興演奏に参加された場面や、アール・ブリュットの創作現場なども同じような並びで取り上げられているのも特徴です。


細馬宏通さん

そもそも『介護するからだ』というタイトルはどのようにして付けられたのでしょう?当初は「介護のからだ」という短いタイトルが考えられていたそうです。「それでも良かったのだけど…」と前置きしながら細馬さんが話し …

Jul

23

ラジオ番組「Glow生きることが光になる」7月第4週「細馬宏通さんと考える‘介護するからだ’に宿る創意」前編

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今週から3週にわたって、滋賀県立大学人間文化学部教授の細馬宏通さんをゲストにお招きします。細馬さんは、滋賀県立大学でコミュニケーション論を担当されながら、2006年から介護現場での観察研究を始め、利用者と介護スタッフの会話や関わりからあらわれる身体動作を観察されてきました。
そして、障害のある人たちと共同で行う即興演奏に参加されたり、またアール・ブリュットの創作現場の造形活動現場に足を運ばれるなど、広い意味での「福祉」現場で発生しているコミュニケーションに独自のまなざしを向けておられます。
今回は、今年の6月に出版された『介護するからだ』(医学書院)で紹介されているエピソードを基に、細馬さ …

Jul

22

8/30 障害者の芸術活動支援スキルアップセミナー開催します!

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アイサでは、「障害者の芸術活動支援スキルアップセミナー」を開催しています。
その一環で行う権利保護研修は、全国の中でも先駆的な取り組みとして注目されています。
造形活動を行う福祉施設において、「作品取扱規程」を施設と利用者の間で取り交わすことで安心して活動を行い、作品を発信することに繋がります。
そのために、著作権保護の基礎から作品取扱規程作成の実践までを段階的に学んでいただける研修会を企画しました。

大きく3つの構成で実施します。
①滋賀県が策定した「著作権等保護ガイドライン」について県の担当者からのレクチャー、②弁護士による基礎講義
③実際にガイドラインを活用している施設の …

Jul

20

8月7日(日)にパフォーマンスイベントを開催します!!【終了しました】

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【パフォーマンスイベントを開催します!】



現在開催中の展覧会「魲 万里絵 遠くて近い私の風景」展の関連イベントとして、
パフォーマンスイベント「呼吸する風景」を開催します。
企画展の展示会場を舞台に2つのダンスパフォーマンスをお届けします。
魲万里絵の絵画とダンサーによる身体表現が交差する空間をご堪能ください!!

【出演者プロフィール】
■パフォーマンスⅠ

高木 貴久恵(ダンサー/振付家)
京都府在住。幼少よりヨガを、その後ジャズ、コンテンポラリーダンスに出会い、テクニックを踏まえつつも独自の身体性を模索している。京都造形芸術大学在学中より〈dots〉のメン …

Jul

20

福祉施設で造形活動をされる方へ「作者の権利保護に関する研修会」のご案内

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8月10日(南草津)、31日(米原)に行う権利保護研修は、絶賛お申し込み受付中です。
全国的に見ても先進的な取り組みとして注目されている研修会ですので、造形活動を行う福祉施設の方にはぜひご参加いただきたいと思っています。

福祉施設のなかで作品が生まれるとき、その著作権や所有権はどのように扱っていますか?
アイサでは、造形活動を行う福祉施設において、「作品取扱規程」を施設と利用者の間で取り交わすことを勧めています。
そのために、著作権保護の基礎から作品取扱規程作成の実践までを段階的に学んでいただける研修会を企画しました。

どちらの研修も大きく3つの構成で実施します。
①滋賀県 …

Jul

08

ラジオ番組「Glow生きることが光になる」7月第2週「イベント公開収録 魲万里絵展オープニングトーク」後編

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先週に引き続き、魲万里絵展オープニングトークの様子をお届けします。


 魲万里絵さん(左)

作品がいろいろなところで紹介されることに伴い、さまざまな解釈が付けられ、中には本人の意とは離れたものもあったりします。それを目の当たりにした時に、魲さんはどう思うのかということを聞いてみました。何とも答えにくい質問にも関わらず、解釈者への気遣いとシニカルさがミックスされた、魲さんならではの答えに会場からも笑いが起きました。

タイトルの付け方に話は戻り、直接的に影響を受けて付けたタイトルに「デキザルヲ」という作品があります。とある作者の短歌集にあった歌から取られているのですが、その言葉 …

Jul

07

展覧会コラム「魲万里絵 遠くて近い私の風景」その1

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NO-MAでは、8月21日(日)まで、国内外で注目を集めている魲万里絵さんの個展、「魲万里絵 遠くて近い私の風景」を開催しています。今回は、一階の展示会場を少しだけ紹介します。



一階のスペースでは、制作の軌跡にフォーカスをあてた展示内容になっています。初期の2007年から、現在までの作品を時系列で紹介した展示空間です。
会場に足を踏み入れると、まず絵の「色の強さ」に驚かれる人も多いのではないでしょうか。暖色系の色味が多い魲さんの作品。本展一階では、展示壁面を反対色である紺色にし、魲作品の持つ発色の鮮やかさを感じてもらえるような空間にしています。さらに、魲さんの特徴として挙げられ …